パーソル総合研究所は2月26日、「ITエンジニアの就業意識」に関する調査結果を発表した。調査は2020年9月4日~7日、20~59歳の働く男女2,500名(ITエンジニア職種1,600名、その他職種900名)を対象にインターネットで行われた。
キャリアに対する不安を聞いたところ、ITエンジニアは「自分の技術やスキルがいつまで通用するか不安だ」(46.5%)が最も多く、次いで「今の会社でどこまで給与が上がるか不安だ」(45.9%)、「いつまで新しい技術やスキルを習得できるか不安だ」(43.6%)と続いた。
一方、ITエンジニア以外の職種では、「今の会社でどこまで給与が上がるか不安だ」(45.4%)がトップ。次いで「自分の将来の健康状態が不安だ」(38.8%)、「今の会社でどこまで昇進・昇格できるか不安だ」(37.6%)と続き、ITエンジニアが、他職種と比べて、技術やスキルに関する不安感が高いことがわかった。
続いて、年収と転職意向の関係性を見てみると、ITエンジニアは年収が高いほど定着しやすい傾向が見てとれた。そこで、希望年収と現在の年収の差を調べたところ、ITエンジニアの希望年収は763.7万円であるのに対し、現在の年収は613.6万円と、その差は150.1万円という結果に。一方、それ以外の職種における差は141.4万円となり、ITエンジニアの方が給与に関してより不満を抱えている可能性がうかがえた。
また、ITエンジニアの希望年収と現在の年収の差について職種別にみると、ギャップが最も大きい職種は「セキュリティエンジニア」で181.7万円。次いで「組み込み/IoTエンジニア」が174.1万円、「フロントエンドエンジニア」が166.7万円という結果に。
さらに、役割別では、「テックリード/リードエンジニア」が176.1万円で最多。プログラミング言語別では、「TypeScript」で226.6万円ものギャップが確認された。
ITエンジニアの入社理由については、「安定して働ける環境」が最も多く53.8%。次いで「成長できる環境」(40.4%)、「技術を伸ばせる環境」(38.3%)と続き、ITエンジニアの成長志向が強い傾向がうかがえる結果に。
また、コロナ禍(2020年9月)における在宅勤務の割合を調べたところ、ITエンジニア以外の職種が24.1%であるのに対し、ITエンジニアは38.1%と、より在宅勤務で働きやすいことが定量的に明らかとなった。