ビジネスシーンで頻繁に登場する「是非」の名詞的な意味と副詞的な意味、その例文や状況に合わせた言葉の使い方を紹介しています。また、混同しやすい「可否」の意味や使い方の違い、また「是非」を英語でどう話すかなども解説します。

是非の意味とは

「是非」とは、名詞の場合には「正しい事と正しくない事」「正しいかどうかということ」を、副詞の場合には「きっと」「どうあっても」「願わくば」「必ず」を意味する言葉です。

「是非に及ばず」「是非参加させてください」といった使い方をします。

是非と可否の違い

「是非」と「可否」は混同しやすい言葉ですが、是非は主に“倫理的な正しさ”や“善悪”を意味する一方で、可否は“単純な良しあし”や“できるかできないか”を意味するという違いがあります。

  • 壁に貼られた紙を見ている人

    是非と可否は意味が異なります

是非の正しい使い方・例文

「是非」という言葉には漢字で表記する「是非」と平仮名で表記する「ぜひ」とがあります。どちらも間違いではないのですが、平仮名の「ぜひ」とは「お願いします」などの副詞的な表現で用いられる事が一般的です。

強調の意図で使うとき

「行きたい」や「会いたい」と伝える場合に、頭に「ぜひ」をつけて「ぜひ行きたい」「ぜひ会いたい」とすることで、強調することができます。

また、目上の相手に何かを頼まれた時に「ぜひ私にやらせてください」とすることで、意欲を伝えることができます。メールにおいては「是非ともよろしくお願いいたします」と使うことで、誠意を見せることもできるでしょう。

善悪の意味で使うとき

「是非もない」「是非もなし」とすることで「やむを得ない」「選択の余地もない」といった意味になります。

  • パソコンで作業をしながら紙に何かを書いている人

    是非の例文や正しい使いかたを知り使いこなしましょう

是非の類語表現

「是非」の類語表現は以下の通り。

  • 「正しい事と正しくない事」という意味での類語
    可否・適否・当否・良し悪し・善悪・可不可

  • 「どうあっても」という意味での類語
    何が何でも・絶対に・是が非でも・万難を排して・何としても

是非の英語表現

「是非」は英語で以下のように表現できます。

absolutely

「~してもいいですか? 」と許可を求めてきた時に「いいですよ」と返答する時に使います。

<例文>

  • 「Do you want to have dinner with me after work? 」「Absolutely」
    「仕事が終わったら一緒に食事でもどうですか」「是非(行きます)」

by all means

<例文>

  • 「May I come in? 」「By all means」
    「入ってもよろしいですか? 」「どうぞ」
  • By all means, let's talk.
    是非、話しましょう。

certainly

<例文>

  • 「Shall we go to a French restaurant for dinner? 」「Certainly」
    「夕食にフランス料理のお店に行きましょう」「是非」

please do

相手に「是非~して下さい」といったお願いする時に使う言葉です。

<例文>

  • Please pay a visit.
    ぜひ遊びに来てください。
  • Please come to Japan again.
    またぜひ日本にいらしてください。
  • 黒板に何かを書いている人とスマートフォンをいじっている人

    英語表現で「是非」が使えるようになると、会話の幅が広がります

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是非とは、普段何気なく使っている言葉ですが、善悪のような名詞的な意味と、強調やお願いなどの副詞的な要素があります。

ビジネスシーンで良く使われる言葉だからこそ、しっかりと理解して語彙力を高めましょう。