8勝0敗の黒田尭之四段が首位、7勝1敗で出口若武四段と服部慎一郎四段が続く
第79期順位戦C級2組8回戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)の前半対局が1月7日に東西の将棋会館で行われました。参加棋士が52人と大所帯のC級2組。一斉に対局が行われるのは最終局の10回戦のみで、その他の対局は前後半の2日に分けて対局が組まれます。
7日には成績上位陣が軒並み登場しました。7回戦終了時点で、7連勝は黒田尭之四段のみ、6勝1敗は黒沢怜生五段、伊藤真吾五段、出口若武四段、服部慎一郎四段でした。彼らの8回戦の対局結果は以下の通りです。
〇黒田尭之四段-中田功八段
〇出口若武四段-黒沢怜生五段
〇服部慎一郎四段-山本博志四段
●伊藤真吾五段-上村亘五段
唯一無敗の黒田四段は中田八段と対戦。中田八段得意の三間飛車相手に、エルモ囲い急戦を仕掛けてリードを奪うと、そのまま押し切って勝利。連勝を8に伸ばしました。
黒沢五段と出口四段は1敗同士の直接対決。共に順位が悪いため、敗れると昇級争いから脱落となってしまいます。黒沢五段の角交換振り飛車という戦型になった本局は、出口四段が端攻めからペースをつかんで勝利しました。
今期が順位戦初参戦の服部四段の対戦相手は、順位戦2期目の山本四段。山本四段の三間飛車に対して、服部四段は独創的な駒組みで対抗します。この見慣れぬ作戦が功を奏して、服部四段が快勝。順位戦としてはかなり早い、16時5分に終局となりました。
伊藤五段は上村五段と対戦。先手の伊藤五段が横歩取り青野流を採用。青野流らしい一手も気が抜けない激しい将棋だったということは、夕食休憩までで29手しか進行しなかったことが物語っています。最終的に大乱戦を抜け出したのは上村五段。伊藤五段は昇級争いから脱落となってしまいました。
5勝2敗で順位上位だった、佐々木大地五段、大橋貴洸六段、阿部光瑠六段は全員8回戦で勝利。8回戦終了時点での上位勢は以下の通りです。(カッコ内数字はリーグ順位)
8勝0敗:黒田尭之四段(13)
7勝1敗:出口若武四段(43)、服部慎一郎四段(51)
6勝2敗:佐々木大地五段(3)、大橋貴洸六段(5)、阿部光瑠六段(14)
黒沢五段、伊藤五段も6勝2敗ですが順位が悪く、上位がよほど崩れない限りは厳しいでしょう。
2敗の佐々木五段、大橋六段は上位勢よりも順位がいいため、キャンセル待ちではありますが、勝ち続ければチャンスが巡ってくるかもしれません。
黒田四段と出口四段は2019年4月に四段昇段を果たした同期。服部四段は2020年4月のデビューです。プロ入りから日の浅い棋士の活躍が目立つ今期のC級2組となっています。