近年では、必要最低限の物だけで暮らす「ミニマリスト」が増えてきています。すっきりとしたミニマリストの部屋をSNSで見る機会も多いのではないでしょうか。
ミニマリストの暮らしは、ただ物が少ないだけ……ではありません。ミニマリストになることで得られる多くのメリットがあります。本記事では、必要最小限の物で丁寧な暮らしを送るミニマリストの片づけ方の極意やミニマリストのメリット、物の選びの方について詳しくご紹介します。
ミニマリストとは?
ミニマリストとは、必要最小限の物だけで暮らす方のことを指します。ミニマリストは「ミニマル(minimal)=最小限」から派生した言葉で、大量生産・大量消費の現代社会と相反し、物以外の豊かさを追求した人のことです。
ミニマリストと断捨離の違い
ミニマリストとよく似た言葉として、「断捨離」があります。諸説ありますが、断捨離は物への執着を絶ち、不要な物を処分することです。ミニマリストも自分にとって不要な物を処分しますが、必要最低限の物だけで、丁寧な暮らしを送ることを目的としています。ミニマリストは断捨離をした上で、丁寧な暮らしを送る方と言えるでしょう。
ミニマリストとシンプリストの違い
近年では、ミニマリストのほかに、「シンプリスト」という人もいます。シンプリストはミニマリストのように、必要最小限まで持ち物を絞りません。ただし、自分の好みを大切にした上で徹底した整理整頓を行い、暮らしをシンプルにするという点はミニマリストと共通していると言えるでしょう。
ミニマリストのメリット
ミニマリストは物が少ないため、掃除や片づけが楽になるだけではなく、ほかにも多くのメリットがあります。続いては、ミニマストになるとどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
1. 無駄遣いが減る
ミニマリストは、自分にとって必要な物を厳選しています。買い物をする際、使い回しができるか、本当に必要な物かを考えるため、安いからといって衝動買いをすることがなくなり、無駄遣いが減らせます。
2. 物をなくさなくなる
ミニマリストは物の置き場所を決めている上に、必要最低限の物しかないため、物の管理ができています。
物の管理ができると、探し物をすることがなくなり、どこに置いたのかわからないまま物がなくなるということも防げるでしょう。
3. 自分の好きな物がはっきりわかる
ミニマリストは、今の自分にとって必要な物しか置かないため、自分が好きなことや興味のあることが何なのか、目に見えてわかるようになります。好きな物しかない居心地の良い空間は、心のやすらぎにもつながるでしょう。
4.満足度が上がる
本当に必要な物を厳選する上では、長く丈夫に使えるよう、質感や素材など上質な物にこだわるようになります。そのため、一つひとつの物の質が高く、満足度が上がるでしょう。
5. 物が長持ちする
ミニマリストは、お手入れする物の数が少ないため、物の扱いが丁寧になり、一つひとつを大切に使うようになります。厳選したお気に入りのアイテムを長く使うため、流行に流されず、自分のスタイルを確立できるようになるでしょう。
6. 部屋が広くなる
物が多いと収納スペースに入りきらず、部屋も物で埋まってしまうことがあります。必要最小限の物で暮らすようになると、収納スペースに空きができるようになり、部屋を広々と使えるでしょう。
7. 家賃を抑えられる可能性がある
物が少なくなると、スペースが必要なくなりますので、コンパクトな家に引っ越しをすることができます。荷物が少ないと引っ越しの作業が効率化できる上、家賃や引っ越し費用を抑えられるでしょう。
8. 自由な時間が増える
暮らしがコンパクトになると、片づけや探し物をする時間が短縮できるため、その分の時間を自由に使うことができます。
ミニマリストになるには
ミニマリストになるには、何から始めれば良いのでしょうか。ここでは、ミニマリスト生活を始める際におすすめの方法をご紹介します。
1. 必要な物以外を手放す
まずは、家にある物を今の自分に必要かどうか見直してみましょう。今は使わないけれど、なんとなく持ち続けている物を処分してみることがミニマリスト生活への第一歩です。
処分といっても捨てるだけではなく、状態がきれいな物であれば、環境のためにもフリマアプリやリサイクルショップで売ってみることをおすすめします。
2. 部屋の中で、物の置き場所を決めて収納
無造作に置いてしまうと部屋が散らかったり、探し物をしたりする原因になります。きちんと物の置き場所を決めて収納しましょう。
3. 厳選した1軍のみ残す
ボールペンやハサミなどの道具類は、知らず知らずのうちに複数個持っていることがあります。選び抜いた1軍のアイテムのみ残すようにしましょう。同じ物や似たような物を減らすことで、物が管理しやすくなります。
4. 無駄な買い物を控える
できるだけ物を増やさないためには、無駄な買い物は控えましょう。安くなっているから、流行っているからといった衝動買いをする前に、自分にとって本当に必要か、使い勝手がいいかを考えることが大切です。
5. 1つ買ったら1つ手放す
物を増やさないためには、例えば服を1着買ったら、その分手持ちの1着を手放すようにしましょう。そうすることで、スペースを一定に保つことができます。
6. レンタルサービスを活用する
冠婚葬祭用の服やスポーツ用品、アウトドアグッズなど、たまにしか使わない物は持つことをやめて、必要なときにレンタルサービスを活用することも検討してみましょう。
ミニマリストの部屋づくりのポイント
ミニマリストは、選りすぐりの物をきれいに配置した部屋で、いつでもすっきりした状態を保っています。ここでは、ミニマリストの部屋づくりに欠かせないポイントについて紹介します。
1. 使い回しができる物を選ぶ
ミニマリストは、今の自分にとって必要最小限の物しか持たないようにしています。お気に入りの一組だけを丁寧に使うため、服や食器、洗剤においても使い回しができるアイテムを選ぶことがポイントです。そうすることで似たような物で場所を取ったり、散らかったりするのを防ぎます。
2. 徹底して無駄な物を部屋から省く
あまり着ていない服や壊れたまま放置している物、期限切れの物など、ミニマリストは今使っていなくて、これからの自分にとっても必要なければ、無駄な物は徹底的に処分します。ただし、処分するかどうか迷ったら、無理して処分する必要はありません。
例えば、1年以上使わなかった服は処分するなど、自分の中で期限を決めるという手があります。処分してしまってから後悔しないように、保留ボックスを作って、少し時間を置いて考えるようにすることもおすすめです。
3. 必要な物だけ買う
お気に入りの物だけに囲まれて生活していると、今の自分にとって合わない物が部屋にあると違和感が出てきます。また、ミニマリストは使い回しが利く物を好むため、物を買うときは、本当に今の自分に必要か、今ある物で代用できないか、使い勝手がいいかなど吟味することで、不要に物を増やさなくなります。
4. やらなくていいことを決める
ミニマリストは時間の無駄になる、やらなくていいことを決めます。例えば、家が散らかっていると、物を片づけてから掃除するという手間がかかります。手間がかかる掃除はだんだんおっくうになって、部屋が散らかる原因となります。物を減らすことで、やらなくていい片づけを減らすことができるでしょう。
5. 使い勝手がいいように物を配置する
ミニマリストは使い勝手を考えて、物の置き場所を決めます。また、必ず元の場所に物を戻す習慣をつけることで、出したままで散らかるのを防げます。
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ミニマリストの物の選び方
ミニマリストは、必要最小限の物に絞ることで多くのメリットがあります。どのようにして必要最小限の物を選んでいるのか、ミニマリストが実践している物選びのコツをご紹介します。
1. 長く使える物、シンプルな物を選ぶ
使う時期が限定されるような流行の物ではなく、飽きがこないシンプルな物を選ぶことが大切です。デザイン性の高い物は魅力的ですが、ほかの物と合わせづらく、結局使わないということになりがちです。
家具や洋服は定番のデザインや形状で、カラーはベーシックな物に統一すると手持ちの物とも調和がとりやすく、長く使えるでしょう。
2. 自分が好きな物を選ぶ
シンプルだったら何でも良いということではありません。自分の心がときめく、好きな物を選ぶことも大切です。好きな物でなければ、大切に使わなくなってしまいますので、自分の好みや自分に合う物を知っておきましょう。
3. 生活を豊かにする物を選ぶ
物を最小限にすることだけに固執する必要はありません。持つことで生活が豊かになる物や趣味のアイテムは、別枠として考えても構いません。あくまで自分にとって必要で、生活を豊かにする物を置いておくことが大切です。
ミニマリストの暮らしを取り入れ、生活を豊かにしよう
自分が好きな物だけに囲まれて、丁寧な暮らしをするミニマリスト。自分にとって本当に必要な物かどうかを吟味し、自分の好みの物だけをそろえた空間は居心地が良く、心のやすらぎを得られるでしょう。
無駄な物を極力減らすことで、自由に使える時間を増やすこともできます。ミニマリストの生活は多くのメリットをもたらしてくれますので、片づけ方や物の選び方を参考に、ぜひミニマルで豊かな暮らしを手に入れてください。
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