Bluetooth SIGは8月25日、オンライン会見を開き、Bluetoothを取り巻く市場環境に関する説明を行った。

それによると、Bluetoothデバイスは年々出荷台数を伸ばし、2020年の総出荷台数は前年の42億台から46億台に増加。2024年までの年平均成長率8%で伸長し、2021年には50億台を突破し、2024年には62億台に到達する見込みだという。

Bluetoothデバイスの成長市場の1つが車載向けだという。2020年の車載用Bluetooth対応機器は9500万台の見通しだが、これが2024年には1億900万台に増加すると予測されている。2020年の世界の新車生産台数は7300~8500万台程度と見積もられていることから、車種によっては複数台が搭載されることになる。

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    車載Bluetoothデバイスの年間出荷台数予測 (資料提供:Bluetooth SIG)

また、2024年には新しく生産される自動車の87%がBluetoothに標準対応する見込みで、道路を走る自動車(商用車含む)の3分の2に、何らかのBluetooth技術が搭載されるともするほか、1台の自動車で搭載されるBluetooth対応機器の台数も4~6台程度に増加する可能性が高いとする。例えば、自動施錠(キーレスエントリー/キーフォブ)、スマートフォンとリンクするインフォテインメント、走行中の車両状況データのやり取り、ドライバー監視システムとの連携などが考えられるという。

Bluetooth SIGのBLUETOOTH SPECIAL INTEREST GROUP、Senior Director, Market DevelopmentであるChuck Sabin氏は、「近い将来、すべての新車(100%)がBluetoothに対応することになると思っている。こうした標準化された技術を自動車に活用することで、スマートフォンをキーフォブ代わりに使用するというトレンドも拡大しており、キーフォブ関連向けBluetoothデバイスは2024年には年間1300万個の出荷が期待される」と、その勢いに自信を見せる。

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    自動車の電動化が進むのと合わせるようにBluetoothの活用も進んでいる (資料提供:Bluetooth SIG)

現在、Bluetoothを活用したキーレスエントリーとしては、受信信号強度(RSSI)を活用してどこから電波が飛んできているのか、といった方向の検知を可能にする手法の実用化が2019年より進められており、さらに今後は、電波を飛ばしたBluetooth端末がどの方向にかつ、どの程度離れて存在しているのか、といった情報をセンチメートル単位の精度で把握することができるようになるという。

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    Bluetoothによる位置検出技術も技術革新が続いていく (資料提供:Bluetooth SIG)

なお、Bluetooth SIGでは自動運転時代には、TPMSや各種センサとの連携にも活用されるようになるとするほか、車外との連携を含め、さまざまな自動車における用途で活用されることが期待されるとしている。