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【この記事のエキスパート】
音響機器メーカー・時計輸入販売「株)ムジカコーポレーション」代表:眞壁 征生
専門は音響アンプの電子回路設計。筐体設計。真空管回路設計。2005年音響機器を開発・製造・販売する会社を設立。国内はもとより、欧州を中心に37ケ国に輸出。
2007年プロオーディオ事業、2013年ログハウス事業、2015年コンサート企画運営事業を開始。2018年から新規事業としてロシア製軍用時計の輸入を始める。その後、数ケ国の機械式腕時計や懐中時計をラインナップ。
2008年よりFM岐阜の長寿番組である『ムジカスタイル』(毎週木曜18:30~)のナビゲーターに。コラム等の執筆多数。総アクセス数370万を超えるブログは、現在も100万アクセス/年のペースで進行中。
ローカル鉄道養老鉄道支援組織『乗って残そう揖斐養老線実行委員会』会長。大垣ケーブルテレビ番組審議委員。
歌のレコーディング時や声の録音時に、リップノイズを抑えてツバからマイクを守る「ポップガード」。この記事ではポップガードの選び方とおすすめ商品を紹介します。人気なBlue Yetiの製品や金属製の安い製品などをピックアップ。利用する効果もプロが解説しています。
リップノイズをカット!
ポップガードの効果とは
ポップガードはナレーションやボーカルなど、音声の録音をおこなう際に、ポップノイズやリップノイズを軽減するために使われるアイテムです。
このポップノイズやリップノイズとは、主にパ行を発生するときに目立ちます。そのまま録音すると、耳障りな音も録音されてしまいますが、ポップガードがあればカットしてくれます。
さらに、ノイズの除去だけでなく、呼吸に混じる湿気やツバからマイクを守る効果もあり、コンデンサーマイクのようなデリケートなマイクを使っている場合、準備しておきたいアイテムです。
【エキスパートのコメント】
マイクは空気振動を電気信号に変える変換器。しかし、声だけがマイクが拾う空気振動ではありません。エアコンからの風や人間の息等も空気振動の一種。これらも一緒に収録されてしまいます。
こういった環境では再生時に『ボコッ』『フー』というようなノイズも一緒に収録されてしまいます。それを防ぐのがポップガード。
人間の声には100Hz以下の低音はほとんど含まれていないため、100Hz以下をカットする素材でマイクを覆うことで、余分な音がカットされ声だけがクリアに収録できるようになります。
音響機器のプロがおすすめする
ポップガードの選び方
まずは用途を確認。歌の録音やトーク配信など、用途によって素材によるコストを抑えられるかもしれません。そのあとに使用環境に合わせた設置方法やメンテナンスのしやすさなどをチェックしておきましょう。
使用する音源や環境に合わせて素材を選ぶ
【エキスパートのコメント】
ポップガードには網の目が粗い金属製と目がこまかなナイロンや布製のものがあります。使用する音源や環境によって使い分けることが必要です。
ブレス音除去メインならローコストの「ナイロン・布製」
SHURE『ポップストップウインドスクリーン(PS-6)』:
【エキスパートのコメント】
ナイロンや布製のポップガードは、網の目がこまかく、人間の息のように大きな空気振動を軽減させる場合の使用に最適です。しかし、布やナイロンは高音を吸収する性質があるため、高い音を発する楽器には不向き。
ナイロンや布製のポップガードでは網の部分を取り換えられるものもあります。数年から10年程度で取り換えるといいでしょう。
高音域重視なら洗って使える「金属製」
YANMAI『マイクポップフィルター(PS-1)』:
【エキスパートのコメント】
一般的な金属製のポップガードは網の目が粗く、人間の息の音を大きく減少させることはできません。半面、高域特性がいいため高い音でもロスなく通過させることができます。そのため、人間の声よりも高い周波数で演奏される楽器等に使用されることが多いようです。
またメンテナンスもかんたんで、ウェットティッシュで拭く程度でOKです。
マイクに合った設置方法で種類を選ぶ
【エキスパートのコメント】
マイクの形状と寸法によって取りつけ方法が異なります。マイクスタンドにはさむだけでいいものから、ネジ止めが必要なもの、取りつけ用のアダプターや金具が必要になるものなど、さまざまなタイプがあります。
かんたんに取り付けられる「クリップ式」
キクタニ『ポップブロッカー(PO-5L)』:
【エキスパートのコメント】
クリップ式は手持ちマイクやマイクスタンドの支柱にはさみ込める大きさのクリップがついています。手持ち用のマイクで暫定的に収録する際には手軽に使用できて便利。その半面こまかな位置の調整には限界があります。
常時固定して使用するというよりは簡易的なもの、一時的なものと考えた方がいいでしょう。
ネジでしっかり固定する「クランプ式」
STEDMAN(ステッドマン)『Proscreen XL』:
【エキスパートのコメント】
クランプ式はマイクスタンドの支柱にネジを使って固定する方式です。ポップガードがしっかりと固定されますし、音源との距離や向きをこまかく調整することができます。日常的につけ外しを行なうような構造ではないので常用の固定マイクでの使用に向きます。
最近のラジオ局ではパーソナリティの目の前に大きなマイクがあることでゲストとの会話をしにくくなるので、カゴ型は減りクランプ式が多くなってきています。
マイクに直接取り付ける「カゴ式」
JUPITER(ジュピター)『ポップガード』:
【エキスパートのコメント】
レコーディングスタジオでも使用されている本格的なもの。クランプ式のポップガードが一方向にのみ効果があるのに対して、より広い角度からの音源に対して効果があります。
カゴ式のポップガードは、使用するマイクの形状や大きさによって最適なものを選択する必要があります。マイクによってはオプション別売りされている専用のポップガードしか使用できない場合も。また、その多くは高価な傾向があります。
使用環境やマイクに合わせて選ぶ
【エキスパートのコメント】
マイクによっては特定のポップガードしか使用することができなかったり、思ったような効果がでない場合もあります。また、同じマイクを使用していても使用環境が変われば、ベストのポップガードも変わってきます。初心者の方には使用しているマイクメーカーが別売りしているポップガードが無難かもしれません。
しかし、お気に入りのマイクとすぐれた他社製ポップガードを組み合わせることにより、さらに高性能な収録システムになることも。録音機材選びも楽しみのひとつです。
カバーの大きさに注目
Auphonix『Blue Yeti マイク用 ポップガード』:
【エキスパートのコメント】
マイクの形状によっては大きめのポップガードを選ぶ必要があります。
また、カゴ型のポップガードは特定のマイクを想定して設計されているものが多く、現在使用しているマイクに適合するかをじゅうぶんに確認しなければなりません。確認ができない場合はメーカー発売のオプションを使用するのが無難です。
マイクとの距離にも気をつける
【エキスパートのコメント】
マイクとポップガードの距離は近すぎると効果がなくなり、離れすぎると音声のレンジが狭くなるので2〜10cm程度の適切な距離で使用しなければなりません。
ポップガードを使用した状態でマイクにわずかに息を吹いてチェックしてみましょう。決してマイクに大きく息を吹きかけないでください。
メンテナンスのしやすさも要チェック
キクタニ『ポップブロッカー(PO-8)』:
【エキスパートのコメント】
ポップガードは余分な空気振動を減少させるだけでなく、飛沫からマイクを守るという役割もあります。ウェットティッシュで拭くことができるかどうか、丸洗いできるかどうかも重要なポイントです。
ナイロン製や布製のポップガードの場合、その寿命は数年から10年程度といわれています。網部分だけを交換するのか、本体交換なのかもチェックのポイントです。