東京商工リサーチは6月8日、「新型コロナウイルス」関連破たん状況(6月8日17時現在)を発表した。それによると、「新型コロナ」関連の経営破たんは全国で225件(倒産162件、弁護士一任・準備中63件)に上ることがわかった。

「中小・零細企業の経営体力は限界に近づいている」

  • 都道府県別破たん状況 6月8日17時現在(出典:東京商工リサーチWebサイト

新型コロナ関連の経営破たんは、2月2件、3月23件から、4月は84件に急増し、5月も83件発生。6月は2日の1件以外、1日あたり4~6件発生しており、このペースが続くと月間100件を突破する見込みだ。

都道府県別にみると、福井県、和歌山県、鳥取県、高知県、長崎県の5県を除く、42都道府県で発生。このうち、最も多いのは東京都の49件(倒産44件、準備中5件)で、以下、大阪府21件(同14件、同7件)、北海道17件(同14件、同3件)、静岡県12件、兵庫県10件と続いた。

業種別では、宿泊業と飲食業が35件で最多。外出自粛や休業要請の影響に加え、インバウンド需要の消失などで損害が発生した。次に多かったのは外出自粛や百貨店などの休業が響いたアパレル関連の27件で、個人消費関連の業種が上位に並んだ。この他、食品製造業17件、結婚式場4件や葬祭業3件の冠婚葬祭、パチンコホール3件など、幅広い業種に拡大している。

集計対象外となるが、負債1,000万円未満の倒産は3件発生。また、休業していた企業・商店が制度融資や支援策などを活用せず、そのまま廃業や倒産を決断するケースもあるという。同調査では、「資金繰り支援も企業に行き渡り始めたが、資金繰りが逼迫した中小・零細企業の経営体力は限界に近づいている。迅速な資金支援と同時に、長期的な経営支援が欠かせない」と指摘している。