日本最大級のクラウドソーシングサービスを展開する「クラウドワークス」は1月8日、「クラウドリンクス」を正式リリースした。「仕事を依頼したい企業」と「副業・兼業で経験・スキルを発揮したい個人」をインターネット上で素早くマッチングする、国内では珍しいサービスだ。
同社の新サービスのリリースには、どのような背景があるのか。同社取締役 副社長兼COOの成田修造氏が語った。
2020年は「副業爆発」の年に
副業元年と言われた2018年を経て、2019年にはアサヒビール、カゴメ、三菱地所など大企業が続々と副業解禁を発表。社員に兼業・副業を容認する流れが生まれており、成田氏は、2020年が「副業爆発」の年になると推測する。
「これからの時代は、転職という形ではなく、副業しながら複数の企業と関係性を持つ中で、徐々に自分の本職を移していく流れが生まれるだろう」。
成田氏によるとこの5年、転職市場は完全な売り手市場となっていて、人を雇用するのが難しい時代になっているとのこと。特に優秀な人材であればあるほど、囲い込みが難しくなっているなかで、労働形態の1つとして「副業」が大きなキーになりつつあるという。
副業「容認」から「活用」へ
ただし、副業を「容認」する企業は増えている一方、副業を「活用」できている企業は少ないのが現状。そこで同社が立ち上げたのが今回のサービスだ。企業は経営課題(依頼したい仕事・プロジェクト)を、副業ワーカーは自身のスキルをプラットフォーム上に掲載し、マッチングにつなげる仕組みで、主に下記のような利用シーンを想定しているという。
(1)新規事業などの"立ち上げ"をスピーディーに
→最速、翌日・翌週からハイスキル人材が稼働
(2)専門ナレッジを低コストかつ高効率に獲得
→コンサル依頼コストの5分の1。企業も個人もwin-winに
(3)潜在転職人材とのつながり、相性チェックに
→今後正社員になる可能性も踏まえて副業から連携
コンサルタントを間に挟むことなく、"副業・兼業"の"ハイクラス人材"を"プラットフォーム上でマッチングする"というサービスは珍しいとのこと。副業・兼業者に特化したサービスであるため、転職市場には出てこない多種多様なハイクラス人材が登録しているのが特徴だそうだ。
「将来的に副業を利用する人は1,000万人を超える。その1つの起爆となる年が2020年になると思う。容認から活用へ、副業の新しい流れを作っていきたい」と成田氏。
これまで他人事だった人も多いであろう「副業」という働き方。企業の活用がさらに進み、身近なものになる日は近いのかもしれない。