JTBはこのほど、2020年の旅行動向見通しを発表した。1泊以上の日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)と訪日外国人旅行について、各種経済動向や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループによるアンケート調査などから推計した。調査期間は2019年11月5~6日、調査対象は15~79歳の個人で、有効回答は1,074人。
国内旅行・海外旅行ともに増加予想
2020年の訪日外国人旅行者数は、前年比7.9%増の3,430万人と推計。韓国からの旅行者が2019年比で15%程度まで回復すると仮定し、「東京2020大会」開催による波及効果をはじめ、ビザの発給要件緩和、日本路線の増便、中国やアジア新興国からの旅行者数が増加すると予想している。
日本人の国内旅行人数は、同0.5%増の2億8,632万人と推計。JTBは、「2020年前半は前年のGWの反動や景況感、『東京2020大会』前後の首都圏を中心とした旅行抑制の影響などで勢いがないが、後半には消費増税の影響が薄れ、オリンピック後の宿泊施設料金も落ち着くと考えられる」と分析している。
国内旅行の平均消費額は、増税の影響と「東京2020大会」に伴う宿泊料金の上昇などから、同4.0%増の3万8,130円と予測。総消費額は同4.6%増の10兆9,200億円と試算している。
海外旅行人数は、同4.0%増の2,080万人と推計。羽田空港における国際線増便や訪日外国人旅行者数の伸び率低下による日本人向け航空座席の増加、為替の円高傾向などが海外旅行のプラス材料になると見込んでいる。平均消費額は同1.1%増22万6,600円、総消費額は同5.1%増の4兆7,100億円と予測している。