止まらない本田旋風! 決勝の相手は広瀬章人竜王。四段棋士の下克上なるか

第45期棋王戦挑戦者決定トーナメント準決勝(主催:共同通信社)丸山忠久九段―本田奎四段戦が11月27日に東京「将棋会館」で行われ、本田四段が84手で勝って決勝進出を果たしました。

振り駒で先手になった丸山九段は、得意戦法の角換わりへと進めます。対する本田四段も研究十分な様子で、序盤から両者とも時間を使わずに激しい戦いへと突入しました。本田四段は角を切り飛ばし、十字飛車の大技を決めてペースをつかみます。すると丸山九段にミスが出て、はっきり本田四段が優勢になりました。

丸山九段は直近の対局が9勝1敗、対局前まで今期の勝率が8割と絶好調。その丸山九段をもってしても逆転は不可能と判断したようで、終盤の寄せ合いに入る前に投了を告げました。

本田四段は平成9年7月5日生まれの22歳で、平成30年10月1日に棋士デビューした新鋭棋士。今期の棋王戦では予選で勝又清和六段、中村修九段、阿部光瑠六段、永瀬拓矢七段(現・二冠)、増田康宏六段という強敵を下して枠抜け。さらに挑戦者決定トーナメントでも行方尚史九段、佐藤天彦九段、村山慈明七段、丸山九段という錚々たるメンバーを撃破して、見事9連勝で決勝へと進みました。

日本将棋連盟のホームページで棋士データベースのコーナーを見ると、「タイトルホルダー」から、「九段」、「八段」……、「四段」といった順番で162人の棋士が紹介されています。本田四段は157番目、下から数えると6番目です。その本田四段が決勝で、序列1位の広瀬章人竜王に挑みます。(その決勝で勝てば、「挑戦者決定二番勝負」に進出決定。1勝すれば挑戦権獲得という、有利な立場で出場できる)

棋王戦五番勝負で挑戦者を待ち受けるのは、7連覇中、三冠を保持する渡辺明棋王。本田四段の快進撃がどこまで続くか、注目したいと思います。

本田奎四段