食費を節約するよりも、固定費を見直した方が節約効果が大きいとも言われますが、やはり食費の節約は達成感もあり、やっていて楽しいもの。今回は、一見“ケチ”と思えるほどの食費節約術ではありますが、食費の節約を極めたい人には役立つネタをご紹介していこうと思います。

スーパーの見切り品狙いはマスト

閉店時間近くになると食品の値下げが行われます。この「見切り品」は食費節約のマストアイテム。見切り品を狙うなら、大手スーパーがオススメです。大手スーパーでは価格設定が若干高めな分、品質の良さをウリにしているので、商品を見切るタイミングが早めであるといえます。見切り品を出すタイミングや食材によって異なりますが、野菜物は比較的早い時間から見切り品コーナーに置かれ、鮮魚は夕方の買い物ラッシュが過ぎてから見切り品になる傾向があります。

過去に取材をさせていただいた食費節約の達人で、「スーパーには夜しか行かない」という人がいました。それくらい見切り品は食費節約に欠かせないアイテムなのです。

ただし安いからと言って買い過ぎには注意。使い切れずに腐らせてしまっては元も子もありません。消費期限を確認して、その前後に消化しきれる分だけを買いましょう。

「マイ底値表」をつくる

ひと昔前の食費節約では、「底値を求めてスーパーをはしごする」ということもありました。でも手間と時間がかかる割には節約効果がイマイチなので、今どきのスマート節約ではあまりやりません。

底値=これ以下の値段で売られることはない、という値段ではなく、自分が「この値段なら買ってもいい」という自分基準の「マイ底値」を決めるのがオススメです。食材の買い物に慣れてくると、高いものと安いものの見分けがつくようになり、「マイ底値」が定まってきます。

たとえば、卵は1パック180円、豆腐は60円、納豆は3パック100円、豚肉は100g90円、鶏むね肉は100g80円、ほうれん草、小松菜は1束100円、にんじん、玉ねぎ、じゃがいもは1袋130円など(あくまでも一例です)。

「高い・安い」の見極めがつくようになると、お店側が「特売品」として推していない商品でも、「これは安い!」というものを見つけ出すことができます。値段の目利きができるようになれば、思わぬお買い得品をゲットすることも。食費節約が楽しくなってくるはずです。

ベランダ菜園で野菜を育てる

天候によって値段が上下する野菜は、食費節約の落とし穴になることも。自家栽培で値段変動のリスクを少しでもカバーしてみてはいかがでしょうか。

用意するものはプランター、培養土、肥料など。ホームセンターなどで購入できます。プランターは幅65㎝程度。家電などを購入した際に梱包用に使われていた発泡スチロールの箱を使ってもOKです。

初心者であればパセリ、バジル、ルッコラ、ニラ、ベビーリーフレタスなどが育てやすく、種ではなく苗で購入したほうがより簡単です。野菜が育っていく様子を見るのも楽しいもので、食費節約も叶い一石二鳥です。

やっぱり「白い食材」は節約に効く

食費節約ビギナーさんで、「どんな食材を買ったら食費が安くなるのかわからない」という場合は「白い食材」を目安にしましょう。

具体的には豆腐、うどん、えのきだけ、もやし、鶏むね肉など。肉でも、豚肉や牛肉のように色が濃いものより、白っぽい鶏むね肉のほうが安上がり。ほかにも、はんぺん、ちくわ、カニカマ(表面は赤いですが中は白い)なども安いです。きのこ類でも、しいたけやしめじに比べるとえのきだけは安く、2束で100円以下のことも。

「今日のおかずは白っぽい」と感じたら、それは食費が節約できている証拠ともいえます。ただし、毎回、白っぽいおかずだと飽きてしまうのでほどほどに。節約は長期戦です。長続きさせてこそ、効果があらわれるのです。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。