“カプセルホテル総論”としてカプセルホテルの定義を再考し、業界の変化などにも触れた前回に引き続き、今回は「進化系カプセルホテル」を中心に知っておきたいブランド・店舗を紹介していく。
グルメにフィーチャーする「グランパーク・イン横浜」
横浜駅西口至近という好立地の「グランパーク・イン横浜」は、進化系の一翼として存在感のあるカプセルホテルだ。その立地のよさは、訪日外国人旅行者もひきつけるだろう。系列店には男性専用の「グランパーク・イン北千住」があリスタイリッシュで人気だが、横浜店ではよりデザイン性を高め女性専用エリアも設けたことで更に洗練された印象を受ける。
女性も利用するということもあり、導線からアメニティまで気遣いが光るのがこのホテルの特徴だ。使うほどにその気遣いに驚く、ハイセンスカプセルホテルである。何より、グルメなカプセルホテルという点に注目したい。併設されているレストラン「ザ・ブックカフェ」では多彩なメニューをオシャレに楽しめる。
進化系の先鋒にして代表格「豪華カプセルホテル安心お宿」
次に紹介するのは、進化系カプセルホテルの代表格として知られる「豪華カプセルホテル安心お宿」だ。
都内の店舗は男性専用であったが、2018年4月に開業した、東京以外では初の店舗となる「豪華カプセルホテル安心お宿 プレミア京都四条烏丸店」は、女性も利用できる、まさに“安心お宿”の名を体現する場所だ。
男女別の隠れ家ラウンジでは、高級マッサージチェアをはじめ、漫画や雑誌、味噌汁にフリードリンクなども無料提供しており、ゆったりとした時間を過ごすことができる。また、女性限定の岩盤浴をはじめ、女性フロアのプレミアルームにはフェイススチーマーやレッグマッサージといった美容家電も設置し徹底した女性目線を追求している。
さらにグループで宿泊する女性ゲスト向けのドミトリー部屋「女子会ルーム」は驚愕。4つのキャビンが向かい合って設置されたカプセルホテル業界初のドミトリー部屋だ。ゲスト各々のカプセルキャビンというプライベートスペースが常識だっただけに注目のトライといえるだろう。
一般ホテルブランドが展開するカプセルホテル
ホテル業界としてもカプセルホテルが注目される中、人気ホテルブランドがカプセルホテルに進出する傾向が続いている。
例えば、以前本連載でも紹介した、大浴場があるビジネスホテルとして人気のドーミーインが展開する「global cabin」がそれにあたる。「カプセルホテルの合理性とドーミーインの快適性」を標榜しており、五反田・水道橋・浜松・横浜中華街と4店舗展開する。ここではカプセルユニットに加え、食事やパソコンワークができる「デスク」を設置したプライベートスペースを確保しており、かつレディースフロアも完備されている。
さらに、宿泊特化型からリゾートまで全国へ多彩なホテルを展開する「マイステイズ」ブランドもカプセルホテルへ進出。「MyCUBE by MYSTAYS浅草蔵前」は和の雰囲気が魅力だ。全7フロア中、女性専用は2フロア。カードキーで宿泊フロアだけに停止するエレベーターなど、よりセキュリティを強化している。
オススメしたい“女性専用”のカプセルホテル
男性専用から女性も利用できるエリアを設けてきたことが進化系カプセルホテルでみれらる傾向であることは既に述べたが、遂に女性専用のカプセルホテルも誕生し、支持を得ている。
「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」は館内全体で和を意識しており、和服姿の女性スタッフもいるなど、旅館さながらのおもてなしを受けられるホテルだ。
そのほか、白やピンク、パステルカラーを基調とした女性らしい内外装で人気なのが「秋葉原BAY HOTEL」。こちらはまさに女性専用カプセルホテルといったイメージだ。洗面台ブースには基礎化粧品などのコスメ類やヘアアイロンなどもあり女性目線の気遣いに溢れている。
「カプセルホテル」は新たなフェーズへ
ここ数年ホテルの稼働率や料金の高まりが話題となってきた。相変わらずホテル建設・開業ラッシュが続く中で更なる競争の激化がみられ、エリアによっては活況の鈍化も指摘されている。
特に進化系カプセルホテルの料金設定は、ビジネスホテルのボトム料金と被る印象があり、古いビジネスホテルよりはオシャレな進化系カプセルホテルというニーズを取り込んできた。ところが、新しくキレイなビジネスホテルの料金も値頃感が出てきており、不安視するカプセルホテル運営会社の声も聞こえてくる。
過去、安全性や快適性で疑問符がつけられていた宿泊形態が進化し、デザインやサービスなどに気遣った進化系カプセルホテルが台頭してきた。リーズナブルな旅を求める訪日外国人旅行者にも相変わらずの人気だ。
とはいえ、カプセルホテルの基本は“安価で気軽な地元密着の宿泊施設”ともいえる。安心安全な施設として市民権を得つつあるカプセルホテルは、高いクオリティが担保された宿泊業態という新たなフェーズへ突入しているといえよう。更なる進化と共に、それら基本の踏襲にも注目したい。
(瀧澤信秋)『瀧澤信秋のいろはにホテル』連載一覧はコチラ



