オムニビジョン テクノロジーズは、同社の車載向けLEDフリッカー抑制機能搭載イメージセンサ「OX1A10/OX2A10」と組み合わせることで、自動車の安全な運転の実現を支援する車載用映像処理プロセッサ(ISP)「OAX4010」を発表した。

光学カメラでLEDを撮影した際にLEDの点灯速度とイメージセンサのシャッタータイミングがずれることで生じるLEDフリッカー。自動車分野においては、例えば対向車が出している方向指示のためのライトを、緊急車両のパトライト(回転灯)と間違えたり、トンネルから出た際に提示されるLED標識を異なる値として認識してしまう、といった事故につながる危険性のある誤認を引き起こす可能性が指摘されている。

LEDフリッカーを抑制する方法としては、イメージセンサのシャッタータイミング(露光時間)を少なくとも1回以上、LEDが発光するタイミングをカバーできるほど長くしてやればよいが、一般的なイメージセンサの場合、露光時間を長くとると、フォトダイオードにおける光電流の容量が飽和してしまい、撮像が困難になってしまう。

  • LFM

    オムニビジョンが提案するフリッカー抑制手法

同社のイメージセンサであるOX1A10/OX2A10では、画素の感度を抑えることで、ゆっくりと飽和させる技術「Split Pixel」を採用することで飽和までの時間を延ばすことで、こうした課題を解決している。

  • Split Pixel

    光が入る量そのものを絞ることなどの工夫により感度を抑制することで、飽和までの時間を長くすることを可能としたのがSplit Pixel技術となる

さらに、これらのイメージセンサがつながる同製品には「HDR and LFM Engine(HALE)」を搭載。ロングとショートの2種類のシャッタータイミングを同時に実行するほか、ベリーショートのシャッタータイミングを組み合わせることで、HDRとフリッカー抑制(LED Flicker Mitigation:LFM)を両立させる機能で、これにより120dBのダイナミックレンジを保持しながら、フリッカーの抑制も実現できるようになったとしている。

  • HALE

    HALE技術の概要。従来のHDR対応ISPではロングとショートのみであったが、同製品ではベリーショートを追加することでHDR+LFMを実現したという

なお同製品は、HALE機能搭載製品の第一弾という位置づけで、今後、提供される車載向けISPには同機能が搭載されていくことになる予定だと同社では説明しているほか、将来的には顧客からは140dBのダイナミックレンジの実現要求がきていることから、そうしたさらなる高性能を実現する製品の開発も進めていく予定としている。

  • HALE
  • HALE
  • HALE
  • HALE
  • イメージセンサは同じOX2A10で、ISPだけを変えた際の画像比較。左が従来型、右の青い基板がOAX4010を搭載したもの。OAX4010は基板中央に搭載されている。画像を見ると、従来型は空が白とびっぽくなっているが、OAX4010では、空の様子がちゃんと分かる

同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、2020年以降の量産を予定しているという。