第69期大阪王将杯王将戦一次予選4組準決勝の北浜健介八段―藤井聡太七段戦が5月9日、関西将棋会館で行われ、藤井七段が勝って決勝に進出しました。
決勝も強敵 一次予選突破なるか
対局は先手の北浜八段が得意の「中飛車」を採用し、藤井七段はいつもの「居飛車」で対抗。盤面の中央で戦いが起こり、やがて盤面全体で激しい戦いとなりました。最終盤、北浜八段に飛車で王手を掛けられひと目ピンチかと思われた局面から、藤井七段が絶妙の手順で切り返し、最後は受けに使った駒も働かせて相手玉をきれいな即詰みに討ち取りました。
「絶妙の手順」とは、5月7日、8日の両日に行われた第77期名人戦第3局、佐藤天彦名人―豊島将之二冠戦(※豊島二冠勝ち)でも現れた「連続王手の千日手」の筋。
「連続王手の千日手」とは、通常引き分けになる「千日手」の中で、片方の指し手がすべて王手になっている状態のこと。この場合は王手を掛けている側が手を変えなくてはいけないルールとなっています。藤井七段はあえて北浜八段の指し手が「連続王手の千日手」になるよう誘導して、やむを得ず手を変えた一瞬に反撃に転じ、素早い寄せ(※相手の王将を追い詰めること)を決めたのです。
またも華のある勝ち方を見せた藤井七段。一次予選決勝の相手はいずれも高勝率を誇る若手棋士、千田翔太七段―佐々木大地五段戦の勝者となります。これまでの公式戦での対戦成績は[藤井七段 1-0 千田七段]、[藤井七段 1-1 佐々木五段]。
一次予選を抜けると6人制トーナメント3ブロックで行われる二次予選に進出し、それも勝ち抜けば二次予選の勝ち上がり者3人と前期残留者4人、合わせて7人が総当たりのリーグ戦で渡辺明王将(棋王)への挑戦権を争う挑戦者決定リーグ入りが決まります。