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【この記事のエキスパート】
唎酒師・国際唎酒師、マーケティングコンサルタント:宇津木 聡子
日本の風土、知恵、歴史が生み出した日本酒の魅力や楽しみ方を、より多くの人に広めるため、訪日外国人へのプライベート日本酒体験、外国人・日本人向け日本酒にまつわるセミナーやイベントの企画を行っている。
外国人のプライベート日本酒体験では、これまでに30か国以上から400人余りをお迎えしている。
日々の生活でも、カンパイは日本酒、スキンケアは日本酒と酒粕で、そして朝晩の甘酒を欠かさない。
山廃(やまはい)仕込みの日本酒は、深い旨味とコクや力強いフルボディの味わいが特徴です。山廃仕込みの日本酒に合う、おつまみや徳利なども紹介します。国際唎き酒師の宇津木聡子さんに選ぶポイントとおすすめの山廃仕込みの日本酒を教えていただきましたのでぜひ参考にしてください。
山廃(やまはい)仕込みとは?どんなお酒?
日本酒好きなら「山廃」という言葉を耳にしたことがあると思います。山廃は正式名称を「山卸し廃止酛」といい、その名前は生酛(きもと)造りの際に行われる「山卸し作業」を廃止したことに由来します。
一般的に「燗映えする(燗にするとおいしい)」とされるタイプの日本酒で、アミノ酸含有量が多く、深い旨味とコク・酸が感じられる、力強いフルボディの味わいが特徴です。ときに「玄人好み」などといわれる山廃ですが、選び方のポイントを押さえれば日本酒ビギナーでもおいしい山廃を選ぶことができます。
旨味とコクに注目!
『山廃』仕込みの日本酒の選び方
国際唎酒師の宇津木聡子さんに、山廃を選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。「山廃は好き嫌いが分かれる」などといわれることもありますが、次のポイントを意識すればきっと自分に合った山廃が見つけられるでしょう。
造りの特徴から、好みに合わせてセレクト
【エキスパートのコメント】
濃醇な味わいが特徴の山廃ですが、その造りによって、感じる重厚感や熟成感の幅、酸の度合など、さまざまな個性があります。
たとえば、精米度合の高いお米で醸された純米大吟醸/大吟醸、あるいは純米吟醸/吟醸ものなら、山廃のなかでも軽やかな味わいで、山廃を飲みなれない初心者の方におすすめです。熟成期間が長いものなら、よりまろやかさや重厚さ、複雑さが増した味わいとなり、どっしりしたお酒を楽しみたいときにうってつけでしょう。
お酒の味わいにはさまざまな要素が関連してくるので、あくまで目安ではありますが、「山廃」である以外のスペックも選ぶ参考にしてみましょう。
おすすめの飲用温度帯をチェック
【エキスパートのコメント】
山廃のお酒は、全般的にお燗に向いているものが多いのですが、吟醸系や火入れをしていない生酒タイプのものには、香りやフレッシュさを楽しむために低めの温度で飲むことが推奨されているものもあります。山廃をはじめて飲む方は、まず低めの温度でも楽しめる、軽やかなタイプやフレッシュ感のある山廃からトライしてみてください。
日本酒好きの方には、普段は冷酒がお好みの方でも、温めることでより複雑さや濃醇さが花開くタイプで山廃の味わいの奥深さを堪能すると、新鮮なお酒の楽しみ方ができるでしょう。
一緒に楽しむ食事を軸に選ぶ
【エキスパートのコメント】
山廃の味わいの特徴であるコクと酸は、食事と合わせてこそ本領を発揮します。山廃のお酒は、ある程度コクのある料理と相性がよい傾向なのですが、そのなかでも食材とお酒の味わいの濃淡を調和させるように選ぶのがポイントです。
たとえば、野菜の場合はオイルでソテーしたり、グリルしたりしてコクをアップした料理にして、軽やかな吟醸系の山廃を合わせてみましょう。
肉料理であれば、どっしり感のある山廃を合わせると、ワインと合わせるのとは違う調和が楽しめます。たとえばコンテチーズのような熟成チーズは、熟成タイプの山廃と合わせるのもおすすめです。
なにを食べるかを軸に山廃のお酒を選んで、そのハーモニーを楽しみましょう。
個性のある山廃の飲み比べも楽しい!
料理との相性も考えて選んでみましょう!写真は車多酒造の『天狗舞 山廃仕込み純米酒』。脂ののった鮪や赤身のお肉料理と相性抜群の山廃です。
【エキスパートのコメント】
「山廃仕込み」のお酒は個性があり、好き嫌いが分かれるというのも事実です。お酒は嗜好品なので、それはそれでよいと思います。ただ、ひと口飲んで「山廃は苦手」と決めつけては、ちょっともったいないでしょう。
これまで飲んだなかでおいしいと思ったお酒があれば、その蔵元の「山廃仕込み」をまず飲んでみてください。そして、温度や合わせる食事で、その味を活かす飲み方を探ってみてはいかがでしょうか?
伝統的な手法で造られるお酒ではありますが、最近はさまざまな特徴をもった「山廃」が登場しています。個性があるぶん、じっくりお付き合いしながらそのおもしろさをみつけていけるのも「山廃」の魅力です。