東京2020五輪・パラ五輪の開催を記念した記念貨幣(第二次発行分)の打初め式が、2月7日に大阪の造幣局で行われた。式典にはシドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんや北京五輪金メダリストの上野由岐子さん、リオ・パラ五輪銅メダリストの山田拓朗さんも参加。財務副大臣らとともに製造開始のボタンを力強く押し込んだ。

  • 上野由岐子さん、高橋尚子さん、山田拓朗さんらも式典に参列

計10種類の千円銀貨と百円クラッド貨を新たに発行

2020年東京五輪記念硬貨が発行されるのは今回で2回目。純銀で作られる千円銀貨は、五輪の「陸上競技」「バドミントン」「野球・ソフトボール」、パラ五輪「水泳」の計4種類を発行。直径40mm、量目31.1gで、販売価格は各9,500円(税込/送料込)となる。

  • 純銀で作られる千円銀貨は計4種類

白銅及び銅で作られる百円クラッド貨は、五輪の「空手」「スケートボード」「スポーツクライミング」「サーフィン」「ウエイトリフティング」、パラ五輪「ゴールボール」の計6種類を発行。直径22.6mm、量目4.8gで、金融機関の窓口において額面価格の100円で引き換えが可能だ。

  • 白銅及び銅で作られる百円クラッド貨は計6種類

  • 千円銀貨の裏面はカラー印刷される

式典会場となった造幣局には、メダリストをはじめとした計8人が打初め者として参列。通信回線で接続されたプルーフ貨幣工場、通常貨幣工場をモニターしながら、遠隔操作で製造開始のボタンを押した。完成したカラー印刷済み貨幣はその場で披露され、打初め者による確認も行われた。

  • 工場からの「圧延機、準備よし」「カラー印刷機、準備よし」という声が会場に響き渡る

  • 工場からの声に合わせ、圧延機やカラー印刷機の始動ボタンを押す8名の打初め者

  • でき上がったばかりの美しい貨幣の出来が、打初め者によってその場で確認された

東京五輪に向け着々と進む準備

東京五輪組織委員会の古宮正章副事務総長は、東京五輪大会のボランティアの名称が「フィールドキャスト」に決定したことなど、開催に向けた様々な取り組みが進んでいることを解説。2019年春、夏に開始される五輪、パラ五輪のチケット抽選申込や購入時に必要となる「TOKYO 2020 ID」の登録を促した。

うえの賢一郎財務副大臣は、東京五輪大会開催までに37種類の記念硬貨を4回に分けて発行すると挨拶。第一次発行分の応募倍率は金貨が12倍に達するなど、その好評ぶりを語る。伊佐進一財務大臣政務官は、第二次発行分として「スケートボード」「サーフィン」といった新競技が図面に加わったことで、若い方からの注目にも期待したいと述べた。

メダリストからも熱いメッセージ

シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんは「打初め式に参加できて非常に光栄です。いよいよ来年という気持ちの高まりとともに、手に取った銀貨の重みに貨幣の価値以上の熱い想いが入っていると感じました」と五輪が迫る感想を述べる。

  • 東京2020に向けた気持ちの高まりを語る高橋尚子さん

北京五輪女子ソフトボール金メダリストの上野由岐子さんは、野球・ソフトボールが貨幣の図面として採用されたことを受け、「よりたくさんの方がソフトボールに注目してもらえればうれしいなと思います」。さらに「日本で行われた大会のメダルに技術の高さをすごく感じ、東京五輪のメダルがどういうものになるのか楽しみになりました。絶対に手に取りたいと思います」と続け、メダルへの意気込みを語った。

リオデジャネイロ・パラ五輪男子競泳50m銅メダリストの山田拓朗さんは「でき上がった硬貨に繊細な美しさを感じると同時に、残り1年ちょっとという盛り上がりを感じることができました」と話し、「金メダルを目指すとともに、自己ベストを目指して本番でパフォーマンスを発揮できたらなと思っています」と抱負を述べた。