整理収納に目覚めると「お金が貯まる!」、「将来への不安がなくなる」と言います。モノが溢れる暮らしから脱出した人たちは、時間とお金を無駄にしてきたことに気付くのです。そしてそこから再出発するための片づく秘訣をご紹介します。
秘訣1:収納用品を買わない
モノが増えやすいジャンルは何でしょう。服、本、食器など、自分の意志で手に入れているモノのなかで、こだわりがあったり集めていたりして増え続けているモノに着目。増えたぶんを片づけるために、たくさんしまえる収納法を試しても限界があるので、結果として収納用品か収納家具を買い足すことになったりします。
そのため、モノそのものに支払う費用に加えて、収納を増やすための支出まで増えることに。こうして収納を増やして片づけていると、「何とかなる」という気持ちになって、さらにモノが増え続けるといったサイクルにはまっていきます。100円ショップやディスカウント店に行けば、手ごろな価格で収納用品が手に入るため、無駄な出費ではないと思いがち。ところが、その小さな費用を積み上げてみると、思いのほか大きな金額になってしまいます。安いという思いで、余分に収納用品を買い込んでいることがあるのでは?まずは、収納用品を買わないことから始めましょう。
秘訣2:捨てる痛みをかみしめる
「一つ増えたら一つ減らす」ことで、少なくともモノは増えなくなって現状を維持することができます。頭ではそうと分かっていても、「欲しい」という欲望に負けてモノは増えていくのです。収納するのが得意な人は、空いているスペースを残さず無駄なく使って収納できてしまいますが、それゆえ出し入れがしにくくなったり、探し物が見つからなかったりというストレスに悩まされがちです。
お気に入りを手に入れるのは楽しいのですが、今あるモノの中身を見てみると、実は要らないモノが混ざっています。かつては必要だったり、好きだったりしたモノでも、モノとの関係性がすでに薄れているとしたら、手放すという潔い決断をすることが肝心。後悔や罪悪感といった不快な思いを避けることはできないのですが、捨てるのが苦手だと自覚している人ほど、辛い経験を通して得られる学びがたくさんあります。「何を大切にするのか」と最優先したいことへとたどり着くはずです。
秘訣3:買うときにこそ悩む
モノに振り回されない、煩わされない暮らしをするために、持ち物は少ない方がいい、持たない方がいいとは言いません。お気に入りに囲まれた暮らしを楽しむスタイルもあります。モノの持ち方と気持ちのあり方とのバランスが大切。モノを手に入れるときのワクワクした高揚感がある一方で、片づけにくくて収納が残念な状態でガッカリするとしたらマイナスになります。思うようにモノを減らすことができないとモヤモヤと悩んでさらにマイナスが膨らんでいきます。
モノを手に入れるときこそ、その行く末を想像したうえで、「永くいい関係を保てるかどうか」。そこを悩みどころとして慎重に選びましょう。無駄な買い物をしなくなると気持ちに余裕が生まれて、お金の使い方が上手くなります。節約するためではなく、お金を有効に活かして心豊かに過ごしたいですね。
すはらひろこ
整理収納アドバイザー認定講師・一級建築士・インテリアコーディネーター。インテリアのプロならではの収納術が、オシャレでやる気がわくと好評。片付け講座を定期開催するほかテレビ・雑誌でも活躍。著書「シンプルに暮らす 無印良品で片づく部屋のつくり方」(エクスナレッジ)、「朝、着る服に迷わないハッピー収納術」(大和書房)、「1分からはじめるかたづけ術」(だいわ文庫)など著書・監修書多数。
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