2018年8月に最終回を迎えた『仮面ライダービルド』で、主人公である仮面ライダービルド/桐生戦兎(演:犬飼貴丈)の相棒・仮面ライダークローズ/万丈龍我を演じて好評を博した赤楚衛二。天才物理学者でクールな戦兎と、体力自慢だが理屈には弱い熱血青年の万丈はまさに好対照で、2人のイキのいい漫才風のかけあいが『ビルド』という作品の大きな魅力となった。
2018年12月22日より公開されている映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』でひさびさに万丈の活躍が観られるほか、2019年には万丈を主役に据えたVシネクスト『仮面ライダークローズ』のリリースも控えている赤楚に、映画の見どころや自身が子ども時代に憧れた「平成仮面ライダー」について、そしてVシネクスト『仮面ライダークローズ』にかける意気込みを語ってもらった。
――まずは、改めて『仮面ライダービルド』テレビシリーズの撮影に明け暮れた1年間を振り返ってのご感想をお聞かせいただけますでしょうか。
とにかく突っ走りながら、もがきながらやってきた1年間でした。そんな中で、『ビルド』という作品を応援してくださる人たちがたくさんいてくれて、それがどれだけありがたかったかを実感した1年でもありました。自分自身、仮面ライダーになることができて本当に良かった、と思いました。
――『ビルド』最終回の翌週より始まった『仮面ライダージオウ』の第1、2話に犬飼貴丈さんと出演されたというのも、ファンとしてはうれしいことだったと思います。
シリーズが次の作品に続いていくと、前のほうがいいとか、今のほうがいいっていう論争になったりすると思うんですけれど、もっと大きな視点で見たら、どれも同じ「仮面ライダー」というシリーズなんですよね。僕としては、「仮面ライダー」全体を愛してほしいと思っているんです。ただ『ビルド』の終了を悲しんで「ビルドロス」なんて言ってくださる方たちのお気持ちはうれしいですけれど(笑)。ロスに陥りながらも、次の『ジオウ』を楽しんでいただきたいんです。僕らが出演することで、『ジオウ』にも興味を持ってもらいたい。わずかながらそういったお手伝いをすることができたのかな、と思っています。
――映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』では、常磐ソウゴを演じる奥野壮さん、ゲイツを演じる押田岳さんと『ジオウ』の第1、2話以来の共演になりますね。お2人と一緒に演技をされて、どんなことを思われましたか?
やっぱり"若さ"があるなあと思いましたね。僕だって、彼らとそれほど年齢が変わらないと考えていたんですけれど、やっぱり生命力のようなものに違いがある感じです。たぶん、彼らの年齢から今の僕の年齢になるまでの数年間というのは、人間がもっとも変化する時期なんじゃないでしょうか。日に日に変化していく彼らの"成長過程"の一瞬に立ち会うことができたのは、とても重要な体験でした。大人に成熟していく中で失ってしまったものを、彼らはまだ持っている。だから、一緒にいるとその"若さ"を吸収させてもらえるような感覚がありましたね。最近、忘れていたパワーを思い出させてくれました。改めて、僕も頑張ろうって(笑)。
――今度の映画では『ジオウ』と『ビルド』のキャスト共演がポイントになるかと思います。『ビルド』チームはテレビシリーズの"その後"の姿が観られるという解釈でよいでしょうか。
そういう風に捉えていただいてもいいと思います。でも僕としては「番外編」みたいな印象なんですよ。「仮面ライダーの世界が"虚構"だった」という、映画独自のストーリーですからね。これまで万丈を演じてきて、すでに固定されたイメージができていますので、そんな中でいかにイメージを"崩す"ことができるか。これが今回の映画においての問題というか"壁"でした。
――2019年には、万丈を主役に置いたスピンオフ作品・Vシネクスト『仮面ライダークローズ』がリリースされる予定ですが、こちらは正真正銘、テレビシリーズの最終回を受けた「後日談」的エピソードのようですね。スピンオフとしてふたたび『ビルド』のスタッフ、キャストのみなさんと一緒に作品を作り上げられたご感想をお願いします。
主演と言われていますが、なぜか主演という感覚がないんですよ。本当に、スタッフ、キャストのみんなで『ビルド』という作品を作り上げていって、その後日談エピソードでたまたま僕(万丈)がスポットを浴びた……という気持ちです。言ってみれば「万丈のパワーアップ回」くらいの感覚でした。撮影自体は『平成ジェネレーションズFOREVER』よりも早くて、テレビ最終話の撮影が終わってから数日後にインしたんです。そういったタイミングで『クローズ』を撮ったため、いい意味で肩の力が抜けていたからよかったのかな、と思います。