よい人生を送るためには、よい人間関係が欠かせません。友達がいてよかったなと思うことが、歳を重ねるほどに増えてきました。

私は内向的で、コミュニケーションが苦手で、話し方教室のテストで20点(平均60点)を取ったほどですが、友達に恵まれています。よい友達がいるのはなんでだろうと振り返り、これがよかったのではと思ったことを報告します。

よいコミュニティ=よい友達

社会人になると、平日のほとんどを会社で過ごすようになるので、会社の人間関係でいっぱいになり、社外に新たな友達をつくらなくなりがちです。親しい友達は学校の同級生ぐらいというケースが多いです。

しかし、会社の人間関係は利害関係があって気を遣いますし、学校の友達だけでは心もとないです。利害なく、自分が自然でいられて楽しめるコミュニティがあると安心です。そこでよい友達ができます。よい友達づくりは、よいコミュニティがあってこそです。

コミュニティは、自分でつくるのがよいと思います。むずかしいと思われるかもしれませんが、自分でつくる方がよいことが多く、手っ取り早いです。

私の例で恐縮ですが、「へもいっ子クラブ」というコミュニティをやっています。いまは20人ほどで、たまに集まって食事をしたり、思いつきでイベントをしたりしています。私にとって、ホームのような存在です。

  • クラブでの「へもいオブ・ザ・イヤー」発表の様子

自分コミュニティのメリット

自分でコミュニティをつくると、よいことがたくさんあります。

・そこにいても違和感がない

何かの集まりに参加して、「あれ? 私、浮いてない?」と思うことはありませんか。そういうことがなくなります。あなたがつくったコミュニティに、あなたがいることは自然です。むしろいないと変です。

・だれか寄ってきてくれる

コミュニティがあると、興味を持った人が声をかけてきてくれます。こちらのことをあらかじめ調べてきてくれるので、コミュニケーションが苦手でも話すことができます。自己紹介も不要です。

・価値観が近いので気が楽

自分のコミュニティには価値観の近い人が集まります。タイプが似ていると、気が楽です。的確なアドバイスをくれたり、支えになってくれたりすることもあるでしょう。

では、どうやって自分のコミュニティをつくればよいのでしょう。

コミュニティづくりの準備

・情報発信する

まず、コミュニティの中心となるものをつくります。大げさなものではなく、何でもよいと思います。

文章でも写真でも映像でも、自分が好きなこと、楽しいことを、発信しましょう。SNSで、おもしろがってもらえるものがよいと思います。

私の場合、ブログに記事を書きました。続けていればそのうち、フォローしてくれる人があらわれ、いつか声をかけてくれます。ネットは広大です。

  • ブログを始めるとよいでしょう

注意点は、自分にウソをつかないことです。本当はあまりおもしろいと思っていないけど、ウケがよさそうだからと発信すると、それに惹かれた人が来るので、コミュニティができても、心から楽しめないものになってしまいます。

・言えることをつくる・趣味を磨く

持ちネタや代表作のようなものがあると認知されやすいです。発信を続けていくうちに、スタイルができていくでしょう。そのうちにバズって、「●●の人」と言われます。「私、●●が好きなんです」と言われるような、自分のコンテンツを持つことが、コミュニティづくりの準備となります。

  • バズった記事。iPadにお寿司をのせて食べました。

実際に会ってみましょう

・イベントを開催する

発信を続けて、声をかけてくれる人が何名かあらわれたら、その人たちを呼んで、イベントを開催してみましょう。最初は小さな会です。 写真を公開しているなら、一緒に写真を撮りに行くとか、立ち飲み屋めぐりのレビューを公開しているなら、一緒に立ち飲み屋へいくとか、いつも自分がしていることに巻き込んでみます。

会では話が合います。自分のやっていることに興味を持ってくれている人たちだから当然です。しかも褒めてもらえたりします。

[自分の歌を聞かせるイベント。イベントはやりたいことを」

・シールを配る

少し話がそれますが、私は会った人にシールを配っています。

はじめは、名刺を渡していましたが、名刺を出すとどうしても仕事っぽくなり、急に現実に引き戻されます。そこで、シールです。名刺と同じような役割を果たしながら、ゆるくつながれます。業者に発注すれば、すぐにつくれます。

  • 歴代のシール。1,500枚は配りました

いつのまにか、コミュニティに

・イベントが定例化したらコミュニティ

数人で行ったイベントをレポートにして発信しましょう。参加を迷っている人が、踏み出すきっかけになります。

そして、イベントを定期的に開催しましょう。前回の参加者が友人を連れてきたり、新規参加者が増えて、常連となる人がでてきたりしたら、それはもうコミュニティと言ってよいでしょう。

・コミュニティの維持にSNS

SNSのおかげで、会ったのが一度だけでも、近況を知ることやミュニケーションができるので、数年会わなくても関係が切れてしまうことが、あまりなくなりました。いつも、ゆるくつながっていられます。

すでにあるコミュニティに入る

自分のコミュニティのつくり方を書きましたが、むずかしいという方は、すでにあるコミュニティに参加するとよいでしょう。コミュニティによって異なると思いますが、共通しそうなことを書きます。

・ほがらかに聞いていればよい

アピールポイントがなくても、コミュニティには話したい人が多いので、話を聞いていればよいです。逆に、距離感がつかめていないのに、自分の話をしすぎると変な感じになります。

・若いと歓迎される

コミュニティは放っておくと高齢化していきます。なので、若いとそれだけで歓迎されます。コミュニティに入るなら、若いうちがチャンスです。

・若手になれるコミュニティが必ずある

とはいっても、「私、もう歳だし……」と思われるかもしれません。大丈夫です。もっと上のコミュニティに入れば、あなたが40歳でも50歳でも、若手です。先日、俳句の会に参加したのですが、39歳の私でも、「若い感性がある」と褒めていただけました。

まとめ

安心でき、刺激になり、心の支えになるコミュニティに入っていれば、たとえ会社や家庭でつらいことがあっても、そこだけに縛られないので、余裕を失わずにいられます。

よいコミュニティでは、よい友達ができます。私がつくったコミュニティをきっかけにして、結婚したカップルがいくつもあります。一生と思える友人もできるでしょう。

著者プロフィール: しーなねこ

珍妙な虚脱感を共有する団体「へもいっ子クラブ」の代表。「リアル桃鉄」「エクストリーム出社」など、視点を変えて生活をおもしろたのしくすることが目標。著書「サラリーマンは早朝旅行をしよう! 平日朝からとことん遊ぶ『エクストリーム出社』」(SB新書・共著) 。
ブログ: しーなねこのブログ
ツイッター: @shiinaneko