台湾TrendForceの半導体メモリ市場調査部門であるDRAMeXchangeは、DRAMの主流であるDDR4 4GBモジュールの2018年3月の平均販売価格および最高大口契約価格は、それぞれ33ドルと34ドルとなり、全体として、PC DRAMの契約価格が、2017年第4四半期と比較して約5%値上がりしているとの調査結果を発表した。

また、3月20日、米Micron Technologyの台湾子会社であるMicron Memory Taiwan(旧 Rexchip)にて窒素の供給トラブルが発生したことで、DRAMeXchangeではDRAM市場で近年続いているタイトな供給状況がさらに長引く可能性があるとし、その結果、2018年第2四半期のPC向けDRAM契約価格は第1四半期比で約3%の上昇見込みであるという。

ほとんどのPC DRAMの価格契約は四半期ごとの取引であるため、各四半期の価格上昇は各四半期の最初の月に集中するとも指摘しており、4月の動きに注意が必要だと見られる。

今回の事故は、施設外に設置していたガス発生システムの不具合により窒素ガスの供給を中断したことによるもの。ガスシステムを提供していた米Air Products and Chemicalsの現地法人(Air Products and Chemicals San Fu)は、修理のために故障した機器を米国本社に送っており、現在は無事に修理を終え、台湾の施設に返送されているという。これを受けてMicron Memory Taiwanは4月上旬に全面稼動に戻る見通しである。

Micron Memory Taiwanにて製造されている製品には、PC DRAMのほか、サーバDRAM、LPDDR4 DRAM、グラフィックスDRAMなどもある。同社は窒素ガス供給の中断による被害の詳細を明らかにしていないが、3月下旬から4月上旬にかけて施設の生産に少なからぬ影響を与えていることがうかがえることから、DRAMeXchangeでは、特にすでに供給不足が生じているグラフィックスDRAMについては、もっとも影響をこうむる可能性が高いとしている。