台湾TrendForceのメモリ市場調査部門であるDRAMeXchangeは、グローバルにおける2017年第4四半期のモバイルDRAM市場規模が、前四半期比23.6%増の80億700万ドルとなったとの調査結果を発表した。
同四半期は、モバイルDRAMの四半期別の売上高として初めて80億ドルを突破。DRAM全体の同四半期の前四半期成長率が14%程度であったことを踏まえると、モバイルDRAMがいかに伸びたのかがわかる。
背景には、同四半期がスマートフォンがもっとも売れる季節であることがあり、主要モバイルDRAMメーカーは、この間に価格を10~15%ほど引き上げたという。その結果、トップ3ベンダは、それぞれ大きく前四半期比で成長を遂げることとなった。首位のSamsung Electronicsは、シェア56.6%と圧倒的優位な立場にあるものの、モバイルDRAMに注力したMicron Technologyが同58.8%増という伸びを見せ、シェアを拡大したことから、前四半期に比べてSamsungのシェアそのものは低下した。
気になるのは今後だが、2018年第1四半期は、季節的な要因でスマートフォン市場に対する需要が低迷することから、モバイルDRAM市場は減速すると予想されている。また、それに伴い、ほとんどのスマートフォンメーカーが、モバイルDRAMやその他のコンポーネントの在庫を積み増す状況となっているため、DRAM価格の値動きも鈍化し、その結果、TrendForceとしてはモバイルDRAMの価格上昇率は前四半期比3%程度に収まるとの見方を示している。2017年末には、中国国内のスマートフォンメーカーの要請を受けた中国政府がSamsungに行政指導を行った影響もある程度出ている模様だ。
なお、そのほかの2018年第1四半期におけるDRAM価格の上昇率は、PC向けDRAMが同5%程度、サーバDRAMが同3〜5%程度になるとTrendForceでは見方を示している。