今回のテーマは「お金」。時代の移り変わりとともに、小判はいつしか紙幣に代わり、今では現金に台頭するものが次々と登場している。そこで今回は、日本で暮らす外国人20名に、日本のお金についてどう思うかを聞いてみた。

Q.日本のお金(紙幣・硬貨)のデザインについて、どう感じているか教えてください。またあなたの国のお金と比較してどう感じるかも教えてください。

■色合いが地味

  • 「ちょっと地味です。もっとカラフルにしてほしい。ハンガリーもでもそこまで変わらないけど」(ハンガリー・30代後半・女性)
  • 「少し大きい。あと日本のお金は色が少ない。でも私にとってはどっちでもいい」(ポーランド・30代前半・男性)
  • 「色が渋くて、暗い気分になります。日本の金はエジプトより綺麗ですが、エジプトのデザインのほうが明るくて好きです」(エジプト・30代前半・女性)
  • 「ヨーロッパはユーロで、結構カラフルなお金だと思います。その前のイタリアのリーラは、日本とヨーロッパの間でした(カラフルだけど砂色・茶色っぽい。)リーラを使った世代として、日本のお金とちょっと親しみを感じます。1万円札は微妙に大きくて小さいお財布に入らないですが、500円玉がかわいくて大好きです!」(イタリア・20代前半・女性)

■きれい

  • 「透かしがあったりしてきれい。手が込んでいる。インドの紙幣はすぐ汚れます」(インド・30代前半・男性)
  • 「よいと思います。日本のお札は母国と比べるととてもきれいだと思います。母国のお札はボロボロなものもあります」(パラグアイ・50代・女性)
  • 「好きです。単なる5円玉と50円玉が似過ぎて苦労します。お金の札自体がとてもきれいで好きです。札に載っている人々を調べて、日本の歴史など、もうちょっと知る事ができるのはいい事です。母国の札の色がきれいです。プラスチックなので、洗える事が良くて」(オーストラリア・30代後半・女性)

■デザインがよい

  • 「日本の紙幣は古くなりにくく、デザインもシンプルなので好きです。派手な紙幣は安っぽいと感じます。母国では、自国の通貨があるものの、85%USドルが流通しています。自国の紙幣は、公共料金と税金、ドルのお釣りにしか使われていないです」(カンボジア・20代前半・男性)
  • 「お金のデザインは良いと思います。シリアのお金に遺跡や名所の写真が印刷されていますが、日本のお金にもあったら良いかもしれません」(シリア・30代後半・男性)
  • 「日本のお金のデザインはシンプルで上品だと思います」(スペイン・30代前半・男性)
  • 「信頼感を立たせるコンサーバティブなデザインであり、効果的だと思います。それぞれの大きさ、色も違い、目の不自由な方には比較的に使いやすいではないかと思います。母国のユーロのデザインよりはやや古臭い印象もしますが、慣れていますから気にしません。5千円札以外にも女性を載せて欲しい。5万円札があれば良いと思います」(ドイツ・30代前半・男性)
  • 「硬貨のデザインはユニークだと思います。紙幣の金額が低いので、5万円札などがあってもいいと思います」(ペルー・40代前半・女性)
  • 「カラートーンが一致しています。香港のお金だと色が鮮やかです。しかも日本の札が細めで、収納が容易です」(香港・20代後半・男性)

■描かれているものが

  • 「日本のお金に描かれている人物がよく知らない人なので不思議です。タイではすべてのお金に王様が描かれています」(タイ・40代前半・男性)
  • 「特別な意見はない。ロシアのお金は人より都市の画像が載せてある」(ロシア・20代前半・男性)
  • 「アメリカのお金に描いてある人の顔は、大統領など政府に関係した人ばかりなのに、日本は医者や作家が描いてあるので、日本は政治より文化を重視する国だと思いました」(アメリカ・30代前半・女性)

■その他

  • 「円はゼロが多くて計算しづらい」(マレーシア・40代前半・男性)
  • 「フィリピンとアメリカで暮らしたことがありますが、実は日本のお金はすばらしくて使いやすいと思いました。コインが人目ですぐわかります」(フィリピン・30代後半・女性)
  • 「特にありません」(中国・20代前半・女性)

総評

外国人にとって、日本の紙幣はだいぶ「地味」なようだ。色味が少なく渋い配色に、「暗い気持ちになる」という人も。「そんなに!?」と思ったが、改めて他国の紙幣と比べてみると確かに地味だ。「派手な紙幣は安っぽい」という意見もあったが、地味な紙幣もカラフルな紙幣も、それぞれのお国柄が感じられていいのではないだろうか。

紙幣の違いについては、色彩の他にもいくつかあった。日本の紙幣の方が「きれい」だと言うコメントも割と多く、母国の紙幣は「汚い」「すぐボロボロになる」という。言われてみれば、ボロボロの日本紙幣を目にすることはそうそう無い。また、紙幣に描かれている人物は王様や大統領、有名な遺跡という国が多く、医者や文学者が描かれている日本紙幣は「不思議だ」という声も。さらに、「5万円札が欲しい」「少々サイズが大きい」という意見も寄せられた。

一方硬貨は、比較的「使いやすい」ようだ。色や大きさ、穴の有無などで「一目で違いがわかる」「目の不自由な人も使いやすそう」と高評価だった。改めて気付いた日本のお金のいいところ。世界中でキャッシュレス化が進められているが、海外に行った際には、是非その土地のお金を手に楽しんでもらいたいと思う。