日経BP社が運営する働くママ&パパ向けの情報サイト「日経DUAL」はこのほど、「共働き子育てしやすい街ランキング2017」を発表。全国1位となった東京都豊島区と、東京都以外で最も評価が高かった千葉県松戸市の首長が1日、「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」内で開かれたシンポジウムに登壇し、子育て支援の取り組みについて語った。
今年で3回目となる同ランキングは、日本経済新聞社と共同で実施した「自治体の子育て支援に関する調査」を元に作成されたもの。1位には豊島区(東京都)、2位には港区(東京都)が入ったほか、3位には渋谷区(東京都)、東大和市(東京都)、福生市(東京都)がランクイン。6位は松戸市(千葉県)、7位は新宿区(東京都)、8位は宇都宮市(栃木県)、杉並区(東京都)、調布市(東京都)となっている。
ランキングを考えるにあたり、最も重視したのは「保育園に入れるかどうか」「子育て・教育費」「学童保育は整備されているか」の3点とのこと。認可外園に入園した場合の保育料やファミリーサポートセンターの人員、保育士確保の取り組みなど12の評価ポイントを設けたほか、今年からは新たに「将来的な認可保育園の整備計画」「保育の質」「幼稚園の活用」なども評価項目に加えたという。
このうち1位の豊島区は、20~30代の女性の人口が半減し、人口を維持することができない「消滅可能性都市」(日本創生会議)とされたことがきっかけで、"女性に優しい町づくり"に力を入れてきた結果、2017年4月には待機児童ゼロ(国基準)を達成したことなどが評価された。
また松戸市は、市内全23駅の駅ビル・駅前に小規模保育所を設置したことなどが評価されている。
1日に開かれた「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」では、豊島区の高野之夫区長、松戸市の本郷谷健次市長がシンポジウムに登壇。
高野区長は保育園の増設について「高密都市なので保育園を作るスペースを確保するのは至難のことだったが、できる限りあらゆるものに可能性を求めた。庁舎の2階にも保育園を作りました」と語った。
また、2020年まで保育定員を毎年600名ずつ増やしていく計画について言及し「保育園は作れば作るほど入園者が増える。年間に最低10園は作り続けていく」と待機児童対策に力を入れ続けていく姿勢を見せた。学童保育についても区内の全22の小学校で19時までの預かりを実施しており、子どもが小学校にあがってからも安心して仕事と子育ての両立が可能になりそうだ。
松戸市が全駅に小規模保育所を設置した理由については、「0~2歳の小さな子どもを遠方まで送り迎えするのは大変。待機児童の中でも一番多い0~2歳の需要を駅内・駅前で満たしたかった」と本郷谷市長。
「3~5歳では幼稚園が60%、保育園が35%と施設的には充足しているので、幼稚園の預かり保育をお願いしていこうと尽力している。併せて小規模園には必ず3歳以降の提携園を作ることも徹底しています」と市の考えについて語った。
松戸市では2020年まで保育定員を毎年200~500人ずつ増やしていく見通しだが、潜在需要を考えると「園も保育士も足りない」と課題も示した。
ランキングの11位以下は、荒川区(11位)、北区(11位)、羽村市(11位)、品川区(14位)、福岡市(14位)、秋田市(16位)、神戸市(16位)、厚木市(18位)、板橋区(18位)、久喜市(18位)、世田谷区(18位)、千葉市(18位)、中央区(18位)、八王子市(18位)、浦安市(25位)、葛飾区(25位)となっている。