子どもの発育を促すおもちゃってどんなもの?(画像はイメージ)

子どもにどんなおもちゃを与えるか、悩んだ経験はありませんか? 特に乳幼児は多くの時間を遊んで過ごすこともあり、おもちゃの選択が発育に影響する可能性が高いと考えられます。今回は子どもの発達などの観点から、おもちゃの選び方について小児科医の竹中美恵子先生に聞きました。

Q.まずは安全性の観点から、おもちゃ選びで気をつけるべきことを教えてください

最も気をつけてもらいたいのは、おもちゃの誤飲です。実際に病院に運ばれてくる子もいます。大人の人差し指と親指で作る丸の大きさより小さいサイズのおもちゃは、飲み込んでしまう可能性があるため、3歳以下の小さな子どもに与えないようにしましょう。

大きめのブロックであってもこれに該当するサイズのものがあるので、十分に気をつけてください。また、真ん中に穴があいていないコイン型のおもちゃは、飲み込んでしまった時に子どもの気管をふさいでしまう可能性があり、大変危険です。

Q.子どもの発達に合わせて、与えるおもちゃは変えるべきでしょうか?

この年齢の子には、このおもちゃを与えた方が良いという明確な答えはありませんが、それぞれの子の発達に合わせて、与えるおもちゃは変えてあげた方が良いです。おそらく子ども自身が物足りなくなって新しいおもちゃを求めだすので、その時の子どもの能力に合わせて探してあげると良いでしょう。

Q.子どもの発育や発達を促すようなおもちゃはありますか?

子どもたちは指先を使うことで神経を発達させ、さまざまな動きができるようになります。さらに指先を使うと脳にも刺激が多く伝わり、子どもの発達や成長を促すと考えられています。

そういったことから、パズルや積み木などの指先を使うおもちゃは、子どもの脳と身体の発達に大変効果的だと考えられます。また、運動神経は小学校に行くまでの間に培われるので、身体の発達を促すトランポリンなどの全身を動かせるおもちゃも活用してみてください。

Q.子どもが欲しがるおもちゃばかり与えても良いのでしょうか?

子どもたちは欲しい物を与えてもらうことで、自分の欲求に応えてもらったという満足感を得ることができます。そのため、概ね子どもの意向に任せても良いと思います。ただ家庭によって、例えば「テレビゲームはさせない」などのルールがあるでしょうから、会話ができる年齢の場合は、子どもと話し合いながらどんなおもちゃを選ぶか決めてみてください。

Q.医師や母親としての経験から、お勧めのおもちゃを教えてください

まずは頭を使わないと遊べない、コマなどの昔ながらのおもちゃがお勧めです。自分自身で考えて、どうしたらうまく遊べるか考えることで、子どもの脳の発達が期待できます。さらに何通りかの遊ばせ方ができる積み木などのおもちゃは、子どもの想像力を養い、考えて工夫することを学ばせることができるでしょう。自分でボールを転がす道を、立体的に作り上げられるようなおもちゃもお勧めです。

ただし、どんなおもちゃを使う場合でも、最も子どもの発達に良いのは親や友だち、兄弟・姉妹との「コミュニケーション」です。会話をしながら一緒に遊ぶことで、子どもたちはたくさんのことを学びます。ぜひ家庭でたくさん会話をしながら、おもちゃでの遊びの時間を充実させてくださいね。

竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。広島市立広島市民病院小児科などで勤務した後、自らの子育て経験を生かし、「女医によるファミリークリニック」(広島市南区)を開業。産後の女医のみの、タイムシェアワーキングで運営する先進的な取り組みで注目を集める。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている。