「MT」シリーズや「YZF-R」シリーズのヒットで波に乗るヤマハ。大阪モーターサイクルショーでは国内初公開モデル5台を含め、合計27台という大量のモデルを展示した。目玉となるモデルの人気もさることながら、ワイズギアの展示など、さまざまな角度からヤマハの魅力をアピールするブースだといえる。
「MT」シリーズのフラッグシップ「MT-10 SP」がついに登場
最近のヤマハのヒットといえば、なんといっても「MT」シリーズ。そのフラッグシップモデルといえる「MT-10 SP」が初公開された。「MT-10」はすでに海外で販売され、「MT-10 SP」も外観が大きく異なるわけではないのだが、そのスタイリングを初めて見る来場者も多かったようだ。見た瞬間にインパクトの強さから動けなくなってしまう人も多く、「虫みたいやんか!」「そこがカッコいいんやで!」といった声も聞かれた。
「MT-10 SP」は走行モードを選択できる「YRC(ヤマハ・ライド・コントロール)」やフルカラーTFT液晶、オーリンズ製電子制御サスペンションなどを装備。「YZF-R1」譲りの走りに磨きをかけている。
Vツイン搭載の大排気量スクランブラー「SCR950」
従来のアメリカンとは異なるコンセプトでヒットした「ボルト」の派生モデルが「SCR950」。「ボルト」はアメリカンの中でも「ボバー」と呼ばれるジャンルに属するもので、アメリカンバイクをオフロード走行向けにカスタムしたのがその始まりだ。「SCR950」はさらにオフロード走行を意識したスクランブラースタイルとなっている。
スクランブラーモデルといえば、ドゥカティがまったく新しいモデルを投入するなど、ここ数年で注目されているジャンル。「SCR950」もこの新たな人気ジャンルに参入するわけだが、通常、スクランブラーといえばオフロード向けモデルをベースに改造を施している。しかし「SCR950」はアメリカンモデルがベースなので、狭度のVツインエンジンを搭載した。これが「SCR950」の大きな特徴であり、最大の魅力といっていいだろう。
そのスタイリングは、最低地上高を稼ぐためにサイドに取り回されたエキパイ、フロントフォークを砂埃から守るブーツなど、オフロードモデルの特徴が多く取り入れられている。ただし、フラットで前後に長いシートや、ゼッケンプレートを連想させるサイドカバーは、スクランブラーというよりダートトラッカーに近いといえるかもしれない。
スクーターにもこだわるヤマハの力作3台
かつてのビッグスクーターブームがやや沈静化の傾向にある中で、ヤマハは3台もの国内初公開モデルをそろえた。ビッグスクーターの「TMAX530DX」がグリップヒーターやクルーズコントロールを標準装備した豪華モデル。コーナーを攻められるスクーターTMAXの魅力は健在だ。
スポーツバイク並みの高いハンドリングを実現したスクーター「TMAX530DX」。クルーズコントロールなど快適装備が満載 |
塗装していない黒い樹脂を多用するなど、コストダウンの努力が感じられる「XMAX250」。しかし質感は決して低くない |
参考出品モデル「XSR900 "Faster Sons"コンセプト」。金属とカーボンの質感を生かしたカスタムが美しい |
ヤマハといえば忘れてはいけない「トリシティ」。今回も注目度は高く、フロントサスペンションを下から覗き込む人も多かった |
販売終了が決まっている「V-MAX」も展示されていた。新車購入はまだ間に合うそうだ |
ヤマハのアクセサリーブランド「ワイズギア」のアクセサリー装着車として展示された「XSR900」。「RZ250」と見間違うカラーリングに、思わず足を止める人も多かった |
「XMAX250」は衝撃的な低価格になると噂されている注目のモデルで、日本での発売はもう少し先になりそう。シンプルながら質感の高いスタイリングで大いに期待を抱かせる。「アクシス Z」は125ccのコミューターでクラストップレベルの低燃費を誇る。価格も低く抑えられており、経済性の高さが光る1台だ。