日本最大級の模型の新製品展示会「第55回 静岡ホビーショー」(主催 : 静岡模型教材協同組合)が5月12~15日の4日間、ツインメッセ静岡で開催された。ここでは会場に出展された鉄道模型の新製品などについて、主要メーカーを中心に振り返ってみたい。
"昭和ノスタルジー"な修学旅行電車も登場
昨年、Nゲージ発売50周年を迎えたカトー(KATO)は、記念製品として「C50」を用意した。1965(昭和40)年、初の本格的国産Nゲージとして発売されたC50形蒸気機関車を、現代の技術で再び製品化したという。パッケージには記念冊子と記念DVDが同梱されている。客車「オハ32000形」も同時発売となった。
古いところでは、1959(昭和34)年に登場した155系修学旅行電車「ひので・きぼう」が登場。戦後のベビーブームで中学生になった学童を輸送するための専用車両で、朱色・黄色の明るい配色が特徴的だった。静岡ホビーショーの会場では、当時の国鉄車両のモデルと一緒に展示されていた。
一方、比較的新しいところでは、フランス~スイス直通運転の「TGV Lyria(リリア)」の開業30周年記念塗装バージョンを製品化。新デザインのロゴも再現された。
特別な「トワイライトエクスプレス」がNゲージに
今年で40周年を迎えたトミーテックの鉄道模型ブランド、TOMIXは、ジオラマで豊富な製品群をアピール。来場した子供たちの人気を集めていた。
新製品としては、今年3月で運行終了となった特別な「トワイライトエクスプレス」8両編成をNゲージで限定生産。従来の「トワイライトエクスプレスセット」と組み合わせて再現を楽しめる増結セットや、トワイライト色の機関車も同時発売の予定だ。
トミーテックはTOMIXブランド以外にもさまざまな鉄道関連ホビーを展開しており、そちらの新製品も充実していた。
各鉄道会社の制服を着たオリジナルキャラを創作する「鉄道むすめ」では、東武特急スペーシア車掌という設定の「鬼怒川みやび」を1/7というビッグスケールでフィギュア化。"1/12スケール鉄道小物シリーズ"ではボックスシートの試作品が公開され、お気に入りのフィギュアと組み合わせてのディスプレイを提案していた。
『スター・ウォーズ』や井筒八ッ橋のラッピングトレインも
レール幅はNゲージと同じ規格ながら、長さを縮めたBトレインショーティーを展開するバンダイは、映画『スター・ウォーズ』シリーズの最新作公開に合わせて期間限定で運行された、南海電鉄の特急ラピート「スター・ウォーズ / フォースの覚醒」号のBトレインショーティーを発表。外装についてはインクジェットプリンターでの高画質印刷となるそうだ。その他、東武特急スペーシアの特別塗装列車「日光詣スペーシア」のBトレインショーティーも会場で発表されていた。
創業75周年を迎えた模型メーカー・ハセガワの鉄道模型ブランド「MODEMO」は、井筒八ッ橋本舗の全面ラッピングでご当地感あふれる「京福電鉄 モボ631形"夕子号"」のNゲージを商品化。その京福電気鉄道との姉妹提携5周年を記念し、"京紫カラー"に塗装した江ノ電という、マニアックな題材も新製品にラインナップしていた。
なお、静岡ホビーショーの一般公開に合わせて、近隣のコンベンションセンターでは日本最大級の鉄道イベント「グランシップトレインフェスタ2016」も開催されていた。会場から近い静岡鉄道の長沼駅構内でも運転台撮影会や部品販売会などが行われ、町ぐるみで鉄道ファンを歓迎している様子だった。