保育所の定員、利用申請者数は増加。待機児童数は減少している

横浜市は4月26日、2016年4月1日時点の待機児童数は7人だったと発表した。保育所の利用申込者数は6万1,873人と過去最多となり、希望通りの保育所を利用できないいわゆる「保留児童」は3,117人と2015年の同時期と比較して583人増えた。

保留児童が北部に集中

待機児童ゼロを目指す横浜市。2014年は20人、2015年は8人と同時期の待機児童数は徐々に減りつつある。一方で、増えているのが保留児童だ。保留児童とは「横浜保育室(市の認可施設)を利用」「親の求職活動の拠点が主に自宅」「親が4月1日時点で育休を取得」などの理由で待機児童数には含まれないが、希望通りの認可保育所に入れなかった子どもの数を指す。

2015年と比較して認可保育所は1,302人、認定子ども園は216人の定員増を実現したが、増加し続ける利用申込者の需要を満たしきることはできなかった。

横浜市の発表によれば、市北部の利用申請者が増えていることが、保留児童の増加の背景にあるようだ。港北区、神奈川区、鶴見区の北部3区では需要の高まりを受けてあわせて定員を966人分増やした。しかし、申請者数も1,561人増えたため、結果として1,220人の保留児童が生じることとなった。

来年度は2,500人超の定員増へ

この現状を前に、今後どのような取り組みが行われるのか。市は「大規模な宅地開発などにより保育ニーズが高まっている地域では、保育所等の整備が進まないため保留児童数が増えている」と課題を認識。その上でこうした地域を「整備が必要な地域」に指定し、重点的に認可保育所や小規模保育事業等を整備していくという。

また特に保育所の整備が必要な地域を「重点整備地域」に指定し、賃借料の補助金を拡充することで整備を促す。保育所設置の場所が見つからないエリアでは、国家戦略特区に指定した都市公園内にも保育所等を設置するという。このほかにも、幼稚園の預かり保育を充実させたり、保育士の確保につとめたりして、あわせて2,543人の定員増を目指すとのことだ。

早くから待機児童数ゼロを目指し、保育施策に力を入れている横浜市。今後の取り組みの結果を注目したい。