日清オイリオグループはこのほど、「低栄養に関する実態調査」の結果を明らかにした。同調査は2月26日~29日にかけて、60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施したもの。

調査結果に基づいて算出した低栄養傾向の割合

在宅介護において気をつけなくてはならないことのひとつに「低栄養」が挙げられる。低栄養とは生命活動を営む上で必要な栄養素が取れていない状態を指し、その中でも特にエネルギーとたんぱく質が欠乏した状態のことだという。体重の減少、人の肥満度を表す体格指数・BMI、血液検査の血清アルブミン値が重要な指標となる。

要介護者100名の体重と身長を測ってもらい、BMIを計算したところ、低栄養傾向を示す数値である20以下の人が40%いたことがわかった。BMIは肥満度だけでなく、低栄養傾向にあるかどうかを判断する指標の1つにも使われており、要介護者の40%が低栄養傾向にあることが明らかとなった。

低栄養という言葉とその意味を知っているか尋ねたところ、38%が「低栄養という言葉だけは知っていたが、その意味は知らなかった」、36%が「低栄養という言葉さえ知らなかった」と回答しており、74%が低栄養の意味を知らないでいることがわかった。

低栄養という言葉とその意味の認知・理解

また、低栄養について説明した後に「この先要介護者の低栄養について不安はあるか」と尋ねると、「あまりない」が39%、「ない」が13%で、52%は今後もあまり不安を感じていないことが明らかとなった。

要介護者の低栄養についての将来的不安

要介護者の体重をどれくらいの頻度で測っているか聞くと、「1カ月に1度」が29%と最も多かった。しかし「3カ月に1度」「半年に1度」「1年に1度」「全く測ったことがない」の合計が26%で、4人に1人が3カ月以上体重を測っていないことがわかった。

要介護者の体重を測る頻度

要介護者の咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)のどちらに問題があるかを聞いたところ、「噛(か)むことと飲み込むこと両方に問題があると思う」は21%、「噛むことに問題があると思う」は18%、「飲み込むことに問題があると思う」は22%と、合計で61%が咀嚼や嚥下に問題があると答えている。

要介護者の咀嚼や嚥下に関する問題

介護食に市販の介護食品を使用しているかという質問に対して、「いいえ」と回答した人にその理由を聞いたところ、「使う必要がない」(44.9%)という回答が最も多かった。その後には、「価格が高い」(24.4%)、「種類が少ない」(15.4%)など、市販の介護食品の品ぞろえに関する理由が続いた。