JR四国の新型特急電車8600系の車両展示会が12日、岡山駅で行われた。3月26日のダイヤ改正で、高松~松山間特急「いしづち」1往復に加え、新たに岡山・高松~松山間特急「しおかぜ」「いしづち」4往復(予讃線内は併結運転)も8600系での運転となる。

JR四国の新型特急電車8600系。岡山駅で車両展示会が行われた

今回、岡山駅5番のりばに展示されたのはE1編成(8701・8801・8605の3両編成、1~3号車)・E13編成(8753・8603の2両編成、4・5号車)の計5両。参加者は受付にて配布された「記念入場整理券」で入場し、半室グリーン車となった1号車(8701)の見学も可能だった。鉄道ファンが多数集まり、外観・内装を興味深く眺めている様子だった。

1号車の定員は計29名(グリーン席12席・普通席17席)。グリーン席は横3列(2列+1列)の配置で、ブラウンを強調したデザインとなり、床はカーペット張りに。落ち着きのある照明で、重厚かつ上質な空間を演出している。電動レッグレスト、読書灯、可動式枕をはじめ、各座席の肘掛けにコンセントも設けた。普通席には車いすスペースもあり、車いす対応の多機能トイレ、多目的室、ユーティリティスペースなども用意された。

1号車の普通席。シートのカラーはグリーン

グリーン車は横3列(2列+1列)の座席配置となった。落ち着いた雰囲気の空間に

普通席のシートは量産先行車(2014年6月デビュー)と同様、号車ごとにグリーン(「穏やかで美しい四国の自然」「香川」をイメージ)・オレンジ(「瀬戸内の温暖な風土」「愛媛」をイメージ)の2種類を採用。コンセントも全席の肘掛けに設置された。8600系では、従来の振り子式傾斜機構に代わり、空気バネ式傾斜機構を採用したため、足下スペースが拡大されたという。遠心力による横揺れも低減し、快適な乗り心地のまま、カーブを高速で走行できることも紹介されていた。最高運転速度は130km/hとなる。

8600系は「レトロフューチャー」をコンセプトに、蒸気機関車をモチーフとした円形のブラックフェイスをはじめ、列車の力強さ、ダイナミズムを表現したエクステリアデザインも特徴。これまで営業運転は四国内のみだったが、3月26日のダイヤ改正以降、特急「しおかぜ」として本州にも乗り入れる。

特急「しおかぜ」のうち、8600系を使用する列車は上り「しおかぜ12・18・24・30号」・下り「しおかぜ11・17・23・29号」の4往復(いずれも予讃線内は特急「いしづち」と併結運転)。上り「しおかぜ12号」は松山駅9時15分発・岡山駅12時10分着、下り「しおかぜ11号」は岡山駅12時35分発・松山駅15時17分着となる。なお、今回のダイヤ改正で特急「しおかぜ」はすべて電車での運転となり、指定席が全列車1~3号車に統一される。