アイスランド大使館は11月18日、知られざるアイスランドの魅力を伝えるアドバイザーとして、実業家の堀江貴文氏をアイスランド名誉広報官に選任し、名誉広報官任命式を行った。「もともと、アイスランドに興味をもっていた」という堀江氏は、アイスランドのどんなところに魅力・可能性を感じているのか、その想いを任命式で語った。

ハンネス・ヘイミソン駐日アイスランド大使より、堀江貴文氏にアイスランド名誉広報官の任命書を授与

実は日本とのつながりも深い国

まず、アイスランド(正式名: アイスランド共和国)はどんな国なのか。面積は10万3,000平方メートルで、北海道と四国を足したくらいの広さであり、その地に32万5,000人(2014年1月現在)が住んでいる。アイスランドという名前の通り欧州最大の氷河が存在し、国土の10分の1は氷に覆われている。とは言え、青々とした大地や湖、そして活発な火山活動を抱えた地でもある。

観光アクティビティとして、オーロラ観測やスノーボードのようなウィンタースポーツ、ダイビング、ホエールウォッチング、ハイキング、サイクリング、乗馬、洞窟探検など、豊かな大自然を感じられる体験ができる。また、活発な火山活動の恵みとして天然温泉が各地にあり、人々はごく日常的に温泉を楽しんでいるという。日本から訪れるには直行便がないため、コペンハーゲンやロンドンなどを経由する最短12時間のアクセスとなる。

アイスランドの天然資源は、水力や地熱エネルギー、そして世界有数の漁場をいかした魚類等。特にこの魚類は日本も技術支援をしており、現在、アイスランド国外にも輸出されているサバやシシャモ、カレイなどは、もともと現地では食べられていなかったものだったが、日本からの支援も受けて漁獲されるようになったという。その新しい取り組みとして、2013年よりマグロの漁獲がアイスランドでも開始され、"高級アイスランド天然本マグロ"として日本でも食べられるようになった。

実際にアイスランドの天然マグロを食べた堀江氏は、「アイスランドのマグロは全て天然なんですよ。大間のように高級ブランドとして確立できるくらいおいしい。アイスランドでのマグロ漁は2年前に始まったばかりだけど、排他的経済水域が広い国だし、今の10~20倍にも漁獲を増やせるんじゃないかな」と話している。

「日本は世界有数のマグロを食べる国だけど、高品質なマグロは世界からのニーズが高まっているし、ポテンシャルのある産業だと思っている」と堀江氏

「資源が豊富な小国はポテンシャルを秘めている」

そんなアイスランドの名誉広報官となった堀江氏は、「訪れるなら少なくとも2,3日の滞在を確保したいから昨年からトライしているんだけど、なかなかスケジュール調整ができていない」とのことで、まだアイスランドに行けていないという。

「アイスランドは水産資源も豊富だし、山も火山も温泉もあるダイナミックな景色、それに、ヨーロッパからもそれほど離れていないのにどこかエキゾチックを感じるのもいい。資源が豊富な小国はポテンシャルを秘めていると思う。実際、ライフサイエンス的にも注目されている国だし、例えば、緊急車両を除いて自動運転車だけを全土に運用するという思い切った施策だってできる」(堀江氏)。

アイスランドは遺伝子研究の先進国であり、島国で育ったアイスランド人のゲノム収集・分析は世界からも注目されている。また、アイスランドはインターネット普及率世界1位にも選ばれており、観光地として以外にも、堀江氏は実業家として興味を感じるところがあるようだ。

夏のアイスランド旅行を計画している堀江氏に、ハンネス大使もアドバイス

堀江氏は現在、2016年夏にアイスランドを訪れる計画をしているが、ハンネス・ヘイミソン駐日アイスランド大使より「オーロラは冬しか観ることができない」と聞くと、「オーロラを観てみたいんですよ。ずっと夏に行くためにスケジュール調整をしていたんだけど、行くならやっぱり冬がいいのかも」と悩んでいるようだった。

アイスランドへの日本人旅行者は、2004年頃は年間約1,500人程度だったが、2014年には約1万4,000人が訪れている。今後、堀江氏は名誉広報官としてアイスランドの様々な魅力を発信していくという。