出光興産は30日、昭和シェル石油(以下、昭和シェル)の株式を、英・オランダ系石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルの子会社から取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。

経営統合に向けた協議を加速

出光興産は、昭和シェルの株式1億2,526万1,200株(議決権比率33.3%)を取得する。取得額は1,691億300万円。これにより、出光興産は昭和シェルの筆頭株主となる。

国内石油業界は、石油製品需要の中長期的な減退や過剰設備・過当競争を原因とする低収益体質など、様々な構造的課題を抱えており、業界再編が進んでいる。出光興産は、今回の株式取得を契機として、昭和シェルとの経営統合に向けた協議を加速させていく考えだ。

出光興産は、昭和シェルについて優秀な人材と高い競争力を持つ「エクセレントカンパニー」と評価し、両社の持つ経営資源・ノウハウを融合させることで、明確な成長戦略と存在感を持つ「総合エネルギー企業」として企業価値の最大化を図る。なお、両社は経営統合に向けて本格的な協議を進めることで合意しており、今後は昭和シェルとの協議を進めていくとしている。

出光興産は、株式取得に関して、財務アドバイザーとしてJPモルガン証券を起用。また、法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を起用している。