ドリームプラザ、静岡鉄道、静岡市の官民連携による「ちびまる子ちゃんラッピング電車」が27日、静岡鉄道静岡清水線にて運行開始される。21日に都内でラッピング電車運行開始に関する共同記者会見が行われた。
静岡鉄道静岡清水線は新静岡~新清水間を結ぶ11kmの路線で、現在は1000形12編成(計24両)を保有し、輸送人員は年間約1,000万人(1日約3万人)。2016年春以降、約40年ぶりとなる新型車両A3000形を導入することも話題となっている。
「ちびまる子ちゃんラッピング電車」は、アニメ『ちびまる子ちゃん』放映25周年と、ドリームプラザが運営する「ちびまる子ちゃんランド」開館15周年を記念し、静岡鉄道1000形(1011編成)をフルラッピング。車体は桃色を基調に、『ちびまる子ちゃん』の舞台である清水の街並みや富士山をデザインしたほか、まる子・たまちゃん、丸尾君、野口さん、花輪クン・みぎわさん、永沢・藤木、はまじ・ブー太郎、大野君・杉山君などのキャラクターも配した。車体前面に特製ヘッドマークも掲出される。
共同記者会見では、ドリームプラザ(静岡市清水区で「ちびまる子ちゃんランド」を運営)代表取締役社長の大井一郎氏、静岡鉄道取締役鉄道部副部長の北武忠氏らが事業概要説明を行った。静岡県は観光資源に恵まれながら「通過県」とされることが多く、回遊性向上と官民連携による交流人口の拡大、インバウンド需要の拡大などもラッピング電車導入の背景にあることが説明された。
加えて静岡清水線の利用状況に関して、「かつて清水は造船業などが盛んで、静岡・清水間の双方向で利用がありましたが、現在は静岡方面への通勤利用者が多数を占めています」と北氏。「ちびまる子ちゃんラッピング電車」の運行により、清水方面への利用も活性化させたいとのことだった。
『ちびまる子ちゃん』は1986年から連載開始。アニメ放映25周年を迎えた今年、23年ぶりとなる映画化(12月23日公開)も決定している。「30年にわたって愛され、東南アジアなど海外でも人気の『ちびまる子ちゃん』は大きな誇りであり財産。静岡鉄道と手を携え、行政の方々とも一緒になって、静岡・清水を回遊して楽しんでいただける企画を考えました。東京からも静岡の良いところを見に来ていただきたい」と大井氏は述べた。
「ちびまる子ちゃんラッピング電車」が運行開始される7月27日には、地元園児らも参加しての出発式を開催。2016年7月28日までの約1年間にわたり、新静岡~新清水間で1日13往復程度運行(点検などで運休となる日を除く)される予定だ。