俳優の藤原竜也がナレーションを務めるTBSのドキュメンタリー番組『世界遺産』(毎週日曜18:00~18:30)で、地上波で初めて全編を4K撮影した映像が、28日に放送されることが10日、分かった。
今回撮影したのは、イタリアの古都・トリノの世界遺産「サヴォイア王家の王宮と邸宅」。トリノは19世紀、イタリアが統一王国になった際に最初の首都となった都市で、初代イタリア国王・サヴォイア王家がその威勢を示すため、王宮の建設や都市の整備が進められ、"イタリアのパリ"とも称された場所だ。
この世界遺産を、フルハイビジョンの4倍の画素数を誇る高精細映像・4Kで撮影。地上波のため、4K映像をハイビジョンに変換して放送することになるが、技術的には、ハイビジョン撮影より美しい映像が放送されるという。
同番組では、2012年から4K撮影を導入。これまで地上波では、部分的に使用してきたが、今回初めて全カットの撮影に踏み切った。撮影にあたっては、キヤノンの4Kカメラを初めて使用し、超広角ながら画面がゆがまないという最新レンズなども駆使している。
堤慶太プロデューサーは「見どころは、4K撮影した王宮の豪華な空間です。甲冑(かっちゅう)のコレクションが並ぶ回廊を、精細で美しい映像で記録しました。通常の撮影では見えないところまで見える…4K撮影の魅力をお伝えできると思います」と胸を張っている。
また、『世界遺産』制作チームは、優れたテレビ・ラジオ番組や個人・グループに贈られる放送文化基金賞を受賞。最近の4K撮影も含め、番組開始の1996年以来続けている「20年にわたる最新放送技術への挑戦」が評価された。
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