多摩動物公園では5月8日、同園公式Webページにて、ゲンジボタルの幼虫の上陸が始まったことを伝えた。

上陸後、水の中に戻って行くゲンジボタルの幼虫

幼虫は、水面を叩く雨音の振動に誘発されて上陸

幼虫は、昨年の7月から約10カ月間水中でくらし、4月中旬~5月中旬の雨の降る夜に、土の中で蛹になるために光りながら上陸してくる。幼虫上陸を初めて目撃するのは、一日中雨が降り続く日の19時30分以降。それ以降、日中は降らなくても雨となった夜、あるいはその雨の後で上陸が見られるが、ポツポツと降る弱い雨よりも、パチパチと叩きつけるほど強い雨の方がよく上陸してくる。実は幼虫は、水面を叩く雨音の振動を感知して、それに誘発されて上陸するといわれている。

同園内のゲンジボタルが生息している流れは樹木に覆われているため、弱い雨だと遮られ、あまり上陸してこないと思われる。また、上陸しても地面があまり湿っていないと、水の中に戻ってしまう。今年はこれまで、4月20日と25日に上陸を確認。6月にはホタルが飛び交い、その美しい光を見ることができる。なお6月11日~23日には、昆虫生態園右ウイングの夜行性昆虫コーナーにて、ホタル展「ホタルの光」を開催。詳細は追って、同園公式Webページにて告知される。