実写版『シンデレラ』がメガヒット中のディズニーが放つ次なる話題作が、ウォルト・ディズニー最大の謎にして、最高のプロジェクトとされている『トゥモローランド』だ。タイトルを聞いて、ディズニーランドの同名エリアを思い浮かべる人も少なくないのでは? 実は本作、ウォルト・ディズニーが思い描いていた未来をもとに、すべてが可能になる理想の世界"トゥモローランド"を描いた作品だというから興味津々!
プロジェクトの謎のカギを握るのは、ウォルト・ディズニー社の保管庫に眠っていた資料の数々だ。ウォルトが遺したというお宝の資料が、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011年)のブラッド・バード監督と、人気TVシリーズ『LOST』を手掛けたプロデューサー兼脚本家のデイモン・リンデロフという2人のヒットメーカーに託された時、プロジェクトは一気に加速! 主演にジョージ・クルーニーを迎えたミステリー・アドベンチャー大作『トゥモローランド』として世に出されることになった。
大人も胸躍る謎解きやダイナミックなアクションに期待!
ある日、不思議なティーマークのピン・バッジを手に入れたことで、テクノロジーの最先端を行く理想の世界“トゥモローランド”に紛れ込んだ17歳の少女ケイシー。現実世界に戻された彼女は、見知らぬ少女アテナに導かれ、“トゥモローランド”の謎を知るフランクと出会う。そこからケイシーたちは、人類の未来を懸けた冒険に挑んでいく。
監督、脚本を手がけたブラッド・バードといえば、トム・クルーズ主演作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を、同シリーズ最大のヒット作に導いたことが記憶に新しい。何がすごいかというと、この人、実はずっとアニメーション畑の人で、実際『Mr.インクレディブル』(2004年)と『レミーのおいしいレストラン』(2007年)で2度のアカデミー賞長編アニメーション賞を獲得している超実力派監督なのだ。それなのに、いきなり『ミッション:インポッシブル~』で実写版監督デビューをしたかと思いきや、度肝を抜くようなアクションと、奥行きのある人間ドラマを両立させ、その名を全世界に知らしめたのだから、タダ者ではない!
また、デイモン・リンデロフは、J.J.エイブラムスと手掛けた『LOST』をロングランヒットに導いたのは周知の通り。続いてJ.J.の監督作『スター・トレック』(2009年)の製作も務め、続く『スター・トレック イン・トゥ・ザ・ダークネス』(2013年)では脚本も担当し、脚本家としても超売れっ子の地位を確立した。なんといっても、メインストーリーに張り巡らされたトルネードな伏線が、見る者をぐいぐいと引き寄せて虜にしていくという作風が秀逸。ぬかりのないトラップの仕掛け方が通をもうならせる。
言うなれば、ブラッド・バード×デイモン・リンデロフのタッグは、『トゥモローランド』の映像化実現には、もってこいの逸材コンビなのだ。彼らにかかれば、ディズニーのお家芸であるファンタジーのワクワク感だけではなく、大人が楽しめる謎解きの要素や、型破りのアクションなどが満載の、地に足のついたミステリー・ファンタジーになりそうな予感!
もともと、本作はただのフィクションではなく、ウォルト・ディズニーが晩年に思い描いたという未来都市の構想が取り入れられた物語なので、設定や造形物に説得力が必要だし、過去と未来をつなぐストーリーテリングはより巧みでリアルなものでなければいけなかった。そんな高いハードルを全てクリアできたのは、この最強コンビならでは。いわば、ディズニーにとっても、一歩踏み出した、チャレンジングな作品であったに違いない。
ジョージ・クルーニーと堂々渡り合った、新進女優陣も出色!
大スターにして、監督やプロデューサーとしての評価も高いジョージ・クルーニーがディズニー映画に初出演し、"トゥモローランド"の存在を知るキーマン、フランク役を熱演。日本での大ヒットを記録したことが記憶に新しい『ゼロ・グラビティ』(2013年)で演じたダンディな宇宙飛行士役とは打って変わり、本作では、自宅に引きこもってある監視活動を行っている孤独な男・フランク役に扮し、味わい深い表情を魅せている。『ファミリー・ツリー』(2011年)では、ごく普通のおじさん役を好演したジョージだが、本作では、ちょっとしたヤサグレ感を感じさせつつも、どこか少年のような純粋さを宿した中年男を、絶妙なあんばいで演じている。
そのジョージの相手役を務める若手女優の2人にもご注目!フランクと共に冒険を繰り広げる少女ケイシー役を、TVシリーズ「アンダー・ザ・ドーム」のブリット・ロバートソンが、神秘的な魅力を放つ少女アテナ役を、『スノーホワイト』(2012年)のラフィー・キャシディが演じている。ブリットは、ティーンエイジャーならではのフレッシュな輝きがまぶしい元気印のヒロインがぴったり!吸い込まれるような瞳が美しいラフィーは、少し大人びた透明感も兼ね備えて、いかにも謎めいた少女という役柄にふさわしい。2人とも、ジョージ相手に、それぞれのパートをしっかりと演じ切り、観客の心を牽引していく。
いろんな意味で、予測不能のエンターテインメント大作に仕上がっていそうな『トゥモローランド』。見終わった後、あなたはウォルト・ディズニーから、どんなメッセージを受け取るだろうか。また、トゥモローランドに対する価値観が、これまでとは違ったものになるかもしれない。いずれにしても、このスケールの大作は、大きめのスクリーンで体感することをおすすめしたい。
『トゥモローランド』は、2015年6月6日より全国にてロードショー。
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