香港の夜といえば、毎晩夜空と摩天楼を彩る「世界最大の光と音のショー」としてギネス認定された「シンフォニー・オブ・ライツ」が人気だが、この冬は香港初のプロジェクションマッピングでさらに香港の夜が盛り上がっている。

ビクトリア・ハーバーを挟んだ香港島側からも見えるが、できれば九龍側で大迫力を味わいたい。写真はスターフェリー乗り場近くの時計台・クロックタワー前からの眺め

歴史的スポットで香港の今と昔を表現

10月29日から2015年3月までの5カ月間の期間限定で開催されているのは、「香港パルス3Dライトショー」。プロジェクションマッピング技術に音と光を合わせた、香港の夜景をより一層楽しめる最新のエンターテインメントショーだ。

ショーの開催場所は、香港の歴史的なスポット クロックタワー(時計台)に面して建つ香港文化センター。横長に流線を描くこの壁一面に、最新技術を駆使したカラフルで立体的な映像が照らし出される。

今回の映像のテーマは"Asia's World City"で、香港の活気とお祭り気分を表現しているという。パフォーマンス全体を、オーストラリアのクリエイティブ集団「Spinifex Group」が担当。2008年の北京オリンピック、2010年上海ワールドエキスポ、2010年バンクーバーの冬季オリンピックなどにも関わってきたショーの達人だ。

また、グループの責任者Mr Richard Lindsay氏は、2013年にシドニーのオペラハウスを飾った"Vivid Sydney”など、鮮やかな色彩感覚で世界中のメディアショーを数多く手がけてきたデザイナー。色彩とエンターテインメントのプロ集団が繰り出す3Dショーとあって、躍動する映像と音の迫力が圧巻である。

躍動する映像は躍動する音楽とともに

壁一面で躍動する光のダンスや飛び出す麻雀牌

この時計台の広場は、1910年に香港と広州を初めて結んだ鉄道「九廣鐡路」の駅舎があったところ。大陸に続く鉄道の始発点であり、「世界への窓口」とされていたそうだ。この歴史にちなんで、汽車が壁の左から右に駆け抜け、現代のトラムが走り香港の昔と今が映し出される。

ただ歴史を説明するというものではなく、香港の活気というテーマの通り、古今東西の文化が混じりあったさまざまな映像がテンポよく飛び出す。香港最大のお祭り・旧正月(春節)にちなんで太鼓を叩いているかと思えば、整然と並んだ麻雀牌が飛び出してきたり、龍踊りを彷彿させるカラフルな龍も登場したりする。伝統的なものだけでなく、大晦日のカウントダウンっぽい映像もある。目の前で踊っているかのような光のダンスや振動するスピーカーなど、まるで壁が動いているかのような躍動感なのだ。

ショーの時間は15分間で1日3回行われる。プログラムの内容は、3月まで行われる「香港ウィンター・フェスタ」「旧正月」のイベントに合わせて変更されるので、その時期ならではの演出が楽しめる。ちなみに、「シンフォニー・オブ・ライツ」は20時開始なので、そのまま第1回上演(20時30分~)を楽しむことも。九龍側でベストポジションを確保して、港を挟んで連続する光のシャワーを浴びてみてはいかがだろうか。

●infomation
香港パルス 3D ライトショー(Hong Kong Pulse 3D Light Show)
上演期間: 香港ウィンター・フェスタは12月17日~29日、旧正月は2015年2月14日~3月5日(2/19休)
上演時間: 毎日20:30、21:00、21:30、 22:00(各15分間)

※記事中の情報は2014年10月取材時のもの