Hondaの航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company、以下HACI)は現地時間の10月20日に、小型ビジネスジェット機「HondaJet」による顧客向けデモツアーを開始することを発表した。

顧客向けのデモツアーに使われたHondaJet

デモツアーで快適性・静粛性などをアピール

HACIはHondaJetの量産1号機が完成したことを受け、顧客へのデモンストレーションフライトを開始。これまでに、米国のユタ州ソルトレークシティー、アイオワ州デモイン、ノースカロライナ州グリーンズボロ、カナダのカルガリー、エドモントンおよびトロントにおいて、延べ100人以上の顧客およびディーラー関係者を乗せての体験フライトを行ってきた。今後は、米国テキサス州サンアントニオ、フロリダ州フォートローダーデール、メキシコのモンテレーおよびトルーカなどでも開催する予定となっている。

HondaJetの開発責任者であり、開発・製造・販売を担当するHACI社長の藤野道格氏は、「今回、多くのお客様にクラス最高のHondaJetの性能を体験していただくことができ、とてもエキサイティングなデモツアーになりました。また、人間工学的な知見などさまざまな技術を取り入れたHondaJetが持つ、客室の快適性、静粛性および広さは、お客様への大きなアピールになりました」とコメントしている。

コロラド州での飛行試験の様子

2,000時間を超える飛行試験を実施

カスタマーサービス分野では、HACI本社敷地内に設立されたHondaJetトレーニングセンターの稼働が始まった。今後、HondaJetの飛行条件を精密に再現するフライトシミュレーターである「フルモーション・レベルD・フライトシミュレーター」が2015年第一四半期に導入され、HondaJet用のタイプレーティング(機種別ライセンス)やパイロットの定期訓練などが開始される予定となっている。

またこのほど、HondaJetの購入に際してのファイナンスサービスを行うホンダ アビエーション ファイナンスカンパニー(Honda Aviation Finance Company, LLC)を設立し、エアクラフトファイナンスサービスの受付も開始した。

認定飛行試験については、横風時や高高度での離着陸試験、片発エンジンでの離陸試験、アビオニクス試験(航空機に搭載される航法用電子システムの試験)、および、空調与圧試験(温度や機内圧を調整するシステムの試験)などを実施。全米の70カ所以上の空港で2,000時間を超える飛行試験を行う。

こうした飛行試験などを経て、HondaJetは来年2015年第一四半期に認定取得を予定している。