以前はうまくダイエットできたのに、今はなかなか体重が落ちない…そんな経験はありませんか? ダイエットの成否は、女性ホルモンのバランスに左右されることも多いのです。鍵を握るのは女性ホルモン。その働きから"ダイエットに適した時期"をお伝えします。
効果が出るのは生理が終わるころから!
適切なダイエットプログラムを続けても、目指している成果が出る時期と、思うような成果が出にくい時期があることはご存じですか? ダイエットにはさまざまな方法がありますが、いずれにしても生理周期と合わせて考えるとそのメカニズムが見えてきます。大きく分けると次の2つになります。
・成果が出る時期: 生理が終わるころから次の排卵期が終わる頃まで
・成果が出にくい時期: 排卵期を過ぎてから次の生理が始まる頃まで
では、この時女性の身体では何が起きているのでしょうか。生理が終わってから次の排卵が起こるまでの時期は、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増える時期です。これは女性らしい身体をつくり、自律神経・感情・骨や皮膚・脳の働きにも関係するホルモンです。この時期は比較的、身体だけではなく心もお肌も安定して、体調がよくなります。この頃は集中力もあり、身体が"言うことを聞いてくれる時期"なので、ダイエットが成功しやすくなります。
反対に、排卵期から次の生理が始まるまでの時期は、妊娠を助けやすくするためのホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えます。これは体内に水分を保持し、食欲を増進する働きを持っています。また、大腸の働きもにぶくなるので便秘になりがち。この時期は頑張ってダイエットしているつもりでも、思うような成果につながりにくい時期です。
生理が終わるころから少しずつダイエットを強化し、排卵期が過ぎたら成果が出なくてものんびり構える。これがダイエットを長続きさせる秘訣かもしれません。
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善方裕美 医師
日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。
主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など