JR北海道は1日、2015年度末の北海道新幹線新函館(仮称)開業後、並行在来線として経営分離する江差線五稜郭~木古内間の運営を担う第3セクター鉄道への協力内容について、北海道と基本合意を締結したと発表した。
鉄道施設16億円程度を譲渡するほか、開業前に必要となる施設などの改修・整備費や出向社員の人件費についても、同額程度をJR北海道が負担する内容となっている。JR北海道は人材育成を目的とした教育訓練などでも、第3セクター鉄道に協力。災害時の要員派遣や復旧資材の提供、技術面などにおいて、JR北海道と第3セクター鉄道が相互に協力すると定めた。
函館本線函館~五稜郭間への乗入れについては、第3セクター鉄道の車両と乗務員により、JR北海道が運行する方式で行うこととした。割引定期乗車券や割引企画回数券を用いた乗継割引制度も導入する。また、運行管理業務を円滑に移行するため、開業当初に限り、運行管理業務の一部をJR北海道に委託する。共同使用料についても、効率的な運営方法を検討し、抑制を図る。
国からの改善命令にもとづき、JR北海道は経営分離までに鉄道施設の管理や社員の安全教育など、必要な措置を講じるとの内容も盛り込んだ。譲渡資産保全のため、必要な検査と修繕を確実に実施するとしている。