ドイツのアウディはこのほど、「R18 e-tron quattro」2014年モデルのコックピットについて発表した。新しいシートポジションにより視認性が向上し、より確かなアクティブセイフティを確保しているという。
今日のレースでは、ドライバーがレース中に行う作業が増えている。これまでと同じレベルで安全性の確保、スピードの制御、そして正確なドライビングに注意を払うだけでなく、燃費を向上させる作業も求められるのだという。2014年FIA世界耐久選手権(WEC)では、1ラップあたりの最大燃料消費量規制が実施され、違反はペナルティの対象となる。
これに関して、アウディではドライバーの負担軽減策への検討を重ねてきた。その結果、ペダル類からステアリングホイールの機能、操作パネルに至るまで、コックピットのあらゆる部分を一新することになったという。レギュレーションの変更にともない、シートポジションも刷新された。
革新的な変化は足もとから始まり、クラッチペダルが廃止された。クラッチ操作はステアリングホイールに取り付けたパドルで行う。アウディ ファクトリードライバーのルーカス ディ グラッシ氏は、この方式のアドバンテージについて、「別カテゴリーのマシンで、すでにこの方式を経験していますが、これまでよりクラッチ操作が簡単になりました」とコメントしている。
インパネやステアリングホイールの操作系も新しくなった。ドライバーが頻繁に操作するものは、ステアリングから手を離さずに操作できるようになっている。また、新しく開発されたマルチファンクション ロータリースイッチがステアリングホイールに装着され、ドライバーは2つのプッシュボタンを操作するだけで、マシンのバランス調整に重要な、トラクションコントロールとブレーキ制動力配分の機能を切り替えることができるようになった。