室内情景 (C)Yayoi Kusama/Photo:Masahito Kawai(Capsule)/ Dogo Onsenart 2014 & HOTEL HORIZONTAL, All Rights Reserved

愛媛県松山市・道後温泉の宝荘ホテルはこのほど、前衛芸術家・草間彌生の世界観を表現した客室「わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて」をオープンした。

アーティストの作品世界を「部屋」で表現

室内情景 (C)Yayoi Kusama/Photo:Masahito Kawai(Capsule)/ Dogo Onsenart 2014 & HOTEL HORIZONTAL, All Rights Reserved

「わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて」は、洋室、和室、広縁のそれぞれに、草間彌生の世界を表現した特別な空間。道後温泉で12月31日までの約1年間開催される「道後オンセナート2014」内のプログラム「ホテルホリゾンタル」の作品となる。

「道後オンセナート2014」は、道後温泉本館が2014年に改築120周年の大還暦を迎えるのを機に開催される、気鋭のアーティストたちによるアートフェスティバル。常設型の作品と時期ごとのイベントを組み合わせて展開される。現在はプレオープン中で、グランドオープンの4月10日から12月31日にかけて開催。会場は道後温泉とその周辺エリア。

「ホテルホリゾンタル」は、「道後オンセナート2014」のプログラムのひとつとして開催。道後地区の10のホテル・旅館に泊まれるアート作品群を出現させるというもの。部屋ごとに担当するアーティストを決めて客室を作品化し、実際に宿泊できる作品としてインスタレーション(空間演出)を施す。総合テーマは「最も深い夢 The deepest dream」。道後地区にあるホテル・旅館が水平的(horizontal)に連携し、架空のホテルとして人々を迎える。開催期間は2015年1月12日まで。

2013年12月24日からのプレオープンでは、10のホテル・旅館のうち5施設に、泊まれるアート作品が誕生。荒木経惟の「楽園」(ホテル古湧園)、石本藤雄の「Suuri Taiga / 大草原」(茶玻瑠)、谷川俊太郎の「はなのいえ」(道後舘)、皆川明の「ロ」(花ゆづき)、そして、同ホテルの草間彌生「わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて」がオープンした。

1部屋内で3つの草間空間を堪能

室内情景 (C)Yayoi Kusama/Photo:Masahito Kawai(Capsule)/ Dogo Onsenart 2014 & HOTEL HORIZONTAL, All Rights Reserved

同室は、異なる空間を持つ部屋の中で、草間彌生の往年の作品から新作までが一堂に会し、草間彌生の魂の記憶を辿る、特別な時間を味わえる。床の間に置かれた南瓜や、幻想的に光を放つガラスの座卓など、ここでしか見ることのできない新作も登場する。

部屋に入って最初の空間は、ソフトスカルプチャーの新作「愛はとこしえ」「ナルシスガーデン」で構成。シルバーの球体にうつり込む自分と向き合う特別な時間が楽しめる。ベットカバー、クッション、カーテンは今回用に誂えたオリジナルファブリック。

室内情景 (C)Yayoi Kusama/Photo:Masahito Kawai(Capsule)/ Dogo Onsenart 2014 & HOTEL HORIZONTAL, All Rights Reserved

和室は、黄色と黒の水玉で覆われ、床の間には半立体の南瓜作品「私は南瓜と一緒に生きて行く」を展示。壮大なる南瓜の宇宙空間を草間の愛とともに体感できる。

室内情景 (C)Yayoi Kusama/Photo:Masahito Kawai(Capsule)/ Dogo Onsenart 2014 & HOTEL HORIZONTAL, All Rights Reserved

広縁は作品「I'm Here, but Nothing」の空間。松山市の夜景と共に混ざり、幻想的な水玉の世界に導かれる。

水玉カフェの情景 (C)Yayoi Kusama/Photo:Masahito Kawai(Capsule)/ Dogo Onsenart2014 & HOTEL HORIZONTAL, All Rights Reserved

また、「道後オンセナート2014」の期間中、同ホテルのロビーの一角が「水玉カフェ」に様変わり。「水玉強迫」の展示の他、「ホテルホリゾンタル 草間彌生×宝荘ホテル」限定のスペシャルメニューを提供。草間の世界観の中、草間カップでお茶を味わえる。また、ウンナナクール(ワコール)の草間ショーツや、同イベントから販売する靴下とタイツなどが購入できる、草間彌生オリジナル自動販売機も設置している。

場所は愛媛県松山市道後鷺谷町2-20 四国道後温泉 宝荘ホテル。宿泊料金は、室料が1人19,500円(税別・4人で宿泊)~78,000円(税別・1人で宿泊)。オプションとして夕食1名7,000円(税別)、朝食1名1,000円(税別)。特定日は料金が異なる。なお、宿泊は15歳以上限定。「水玉カフェ」の限定メニュー提供時間は10時~19時(売り切れ次第終了)。

また、昼間限定で同室の見学も可能。見学時間は11時~19時の間(宿泊予定日は15時まで)で行われ、1回の見学時間は15分間。各回定員6名程度。見学料金は1人1,000円(草間彌生オリジナル缶バッチ付)。事前予約は3か月先分まで受け付ける。

イベント、宿泊、見学などの詳細は「四国道後温泉 宝荘ホテルの特設ページ」で確認できる。