獣医さん、キャットシッターさん、猫カフェの店員さんなど、猫にかかわる職業はたくさんあります。今回は、その中でも非常に珍しい「猫の歌手」をご紹介。歌手のお名前は「しゅがーれいん」さんです。

なんとも珍しい猫の歌手

しゅがーれいんさん

しゅがーれいんさんは、1991年生まれ。東京都内を中心に活躍するシンガーソングライターです。毎週日曜のラヂオつくば(FM.84.2)で「しゅがーれいんのラジオボタン」をレギュラーとして持っています。

18歳のときには、オリジナル曲「ねこ」を完成させ、人生初ライブを達成。第14回ORCヴォーカルクイーンコンテストで特別賞受賞の経歴を持っています。ブログTwitterなどでも情報発信をしているとのこと。

代表曲「ねこ」

初ライブで披露したのは、この曲。明るいメロディーと、ちょっぴり切ない歌詞が特徴的です。


天国で暮らす猫・ハルちゃん

今回、猫の歌手・しゅがーれいんさんには、この取材のためだけに新作の猫の歌を作っていただきました。曲の題材となったのは、とある猫ブロガー宅の猫ちゃん。名前は杳(ハル)ちゃん。FIPという難病を患い、わずか生後6カ月足らずで虹の橋を渡ってしまったそうです。

飼い主さんは、ハルちゃんを思って短い漫画を描きあげているのでここで紹介します。漫画のタイトルは、『ハル君、あのね』。


■しゅがーれいんさん作曲『杳へ』


無料で猫の歌の作曲依頼ができる

このように、しゅがーれいんさんは、たくさんの家庭で家族として大切にされている猫たちの曲を無料で作り、歌っているとのこと。これまでの猫歌は、You Tubeでもアップロードされています。しゅがーれいんさんがレギュラーで出演している、ラヂオつくばの「しゅがーれいんのラジオボタン」の‘ポチっとねこ歌コーナー’では、猫の歌の応募ができるそうです。

曲を作ってもらった猫の飼い主さんからは、「大切な宝物になりました!」「感動してしまい思わず涙がこぼれてしまいました」など、多数の感想が寄せられています。

プロデューサーさんの自宅兼スタジオで取材

音楽機材がたくさん

猫の歌を歌い続けるしゅがーれいんさん。今回は、ご本人にインタビューをすることができました。プロデューサーさんの自宅兼スタジオでの取材です。

このスタジオには、プロデューサーさんの愛猫である「クロ」ちゃんと「シロ」ちゃんが暮らしており、猫を交えての取材となりました。

クロちゃん

シロちゃん

クロちゃんは、はぐれていたのを保護した猫だとか。年齢は12歳。シロちゃんは、里親さんから譲りうけた子で、今2歳。二人とも女の子とのこと。

「クロの好物はにぼしやお刺身。シロの好物は、通常食べてもらっているカリカリやウェットフードです。あまりオヤツ的なものを食べません」とプロデューサーさん。

「シロはクロのことが大好きなのですが、シロがあまりにクロにちょっかいを出すせいで、クロがシロのことを少しうっとおしく思うことも時々あります(笑)」と語るところを見ると、どうやら毎日とてもにぎやかに過ごしているようです。

ご本人にインタビュー

このように猫に囲まれたにぎやかな場所で、しゅがーれいんさんにインタビューをしました。

――歌を聴いてみると、猫への愛が伝わってきます。これまでの猫歴を教えてください。

5歳くらいのとき、兄と同じ子供部屋で過ごしました。4つ上のお兄ちゃんなのですが、兄がアイドルの写真を飾るかのように猫の写真を飾っていたのが最初でした。「お兄ちゃんが好きなものは私も好き」という子だったので、それから猫好きに(笑)。

6歳くらいの頃になると、父が拾ってきた猫と一緒に暮らすようになりました。茶トラ白の男の子で、名前は「ちゃろ」。茶色の猫だったからです。

――シンガーソングライターになろうと思ったきっかけを教えてください。

実家はパン屋を営んでいるのですが、毎日毎日、店内では音楽が流れていました。小さい頃からそういった環境の中にいたので、いつも音楽を口ずさむ子供でした。そういった背景があり、音楽が大好きになったので、この道を選んだんです。

――曲を作るのにどのくらいの時間がかかりますか?

短いものなら3時間程度で作り終えます。平均はだいたい1週間前後です。でも、メロディーや歌詞が気に入らなかったものだと、一年以上作成に時間がかかったこともあります。

――曲はどういうプロセスで作るのでしょうか?メロディーを作ってから歌詞を作るのでしょうか。

いえ、鼻歌を歌っていると、パパッと出てきたりします。メロディーと歌詞が浮かぶのはほとんど同時だったりします(笑)。

――歌詞はどうやって思いつきますか?どういう瞬間に思いつきますか?

寝る前に思いつくことが多いですね。あとは、ライブを見た時など。ライブの最中に思いついてしまった時は大変です。こっそりボイスメモを取るようにしています。ものすごく音がたくさんある場所か、あるいは全くの無音の状態だとよく思いつきますね。

――シンガーソングライターになってどれくらいたちますか?何曲くらい作りましたか?

猫の曲を30曲、それ以外の、家族や犬などをテーマにした曲は20曲くらいです。

――今まで作った曲の中で、特に思い入れのある曲はどれですか?やはり、代表作の「ねこ」の曲でしょうか?

いえ、あれは10分くらいで作った曲で、当時はあんまり気に入っていませんでした(笑)。でも周りの人たちからとても褒めていただいて…。それからは、自分でも「ああ、いい曲なんだなぁ」と思えたりします(笑)。

――イラストはご自身でかいているのでしょうか?

はい、アナログでかきあげています。使うのはクレヨンとクーピー、そして色鉛筆です。かきあげるのに5分くらいかかります。

――オリジナル曲「ねこ」で初ライブをされたそうですが、そのときの感動を語ってください。また、お客さんたちの反応も教えてください。

その時はまだギターを演奏できなかったので、曲を流していただいて、歌いました。とても緊張してしまって、口しか動いていない状態…(笑)。でも、私の友達も来てくれて、とてもいいライブになったのではと思っています。

――今後、どのようなシンガーソングライターとして活躍していきたいですか?

これからも、猫を中心に、たくさんの曲を作っていきたいです。今後は、たとえば猫カフェなど、猫がいる場所で歌いたいと思っています。近い将来、猫の歌を集めたCDを出して、そこから保護活動団体にも寄付したいと思っています。

また、いつか必ず猫と一緒に暮らしたいです。昔一緒に暮らした猫である「ちゃろ」が男の子だったので、次に家族になる猫も男の子がいいなぁと思い浮かべています。

――これから曲の作成依頼をしてくるかもしれない世の中の猫飼いさんたちに一言どうぞ。

無料ですので気軽に依頼してください!コンビニに行くくらいの気軽さで、どうぞお願いいたします(笑)。応募は「mofumofusong@gmail.com」までどうぞ。

――ありがとうございました。

その他の猫写真