度々議論される「子供に学校や幼稚園・保育園を休ませて遊園地などへ出掛けること」の是非。実際の保護者たちはどのように考えているのだろうか。子を持つ母親たちに意見を聞いてみた。
今回話を聞いた人のうち、全員が「未就学児であれば許容できる」と回答。ただし、小学校入学以降については意見が分かれた。まず、反対派の意見としては次のような声が挙がった。
反対派の意見
「小学校からは義務教育なので、就学期間中に学校を休んで遊ばせることには反対。子供に教えることはいろいろあるけれど、社会のルール、人に対するマナーなどは親がきちんと教えるべき」(38歳主婦 6歳女児・1歳男児)。
「幼稚園の時点ではオッケー、小学校はNG。その違いは義務教育だから。小学1年生のうちなんて少しくらい休んだってという人もいますが、勉強うんぬんじゃなくて『遊びのために、学校休んでもいいんだ! 』という観念を受け付けたくない」(37歳主婦 7歳・3歳男児)。
「多忙な両親と家族の時間を捻出するために、保育園、幼稚園ならば許容の範囲だと思う。小学校以上であれば子供の休みに合わせるのが常識的なのだと思う」(37歳金融系専門職 5歳女児)。
小学校入学を境目とするのは、やはり義務教育だから。私的な用事で気軽に学校を休んでもいいというような感覚を子供に植え付けないため、教育上よくないという考えだ。また、原則は反対で積極的に休ませることはないものの、条件付きでなら許容できるという中立的な意見も多かった。
「小学校に入るまでは何ら問題ないと思っている。小学校に入ってからは授業を受けないことで後れを取らないか気になるが、夫が小売業のため、なかなか土日祝日に休みを取ることが難しい。しかし、子供にとってディズニーランドや遊園地に家族で出掛けることも大切なことだと思う。だから、年に1回くらいは休ませてもいいかなと思う」(38歳医療系専門職 6歳・1歳女児)。
義務教育期間でもOK
一方、就学後も問題ないと考える人の意見としては次のようなものが挙がった。
「家族で遊びに行ったり旅行のときは、保育園も学校も休めばよいと思います」(36歳医療系専門職 3歳男児・1歳女児)。
「親の休みが学校の休みに合うことがない場合もあるので、家族の時間をつくるためなら構わないと思う。学校より大切なことはたくさんある」(40歳自営・会社役員 13歳・6歳女児)。
確かに、子供の休みと保護者の休みが合わない家庭の場合は、学校を休ませてでも家族の時間を捻出する必要があり、その時間は学校以上に大切であるというのもうなずける。また、実際に家族そろってのレジャーのために、子供を休ませたことのある保護者からは次のような実話や危惧する声も聞かれた。
「小学生になったらあまり休ませたくないと思う。実際に幼稚園を休ませて行ったことがあるが、幼稚園には『私用』と言ったのに、子供が本当のことを言ってしまい、少しまずかったかなとも思った。ただ、1年に1回とかで頻繁でなく、休んで遊びに行くことがクセにならなければ悪いことだとは思わない」(38歳パート 5歳男児・3歳男児/女児)。
その他、「学校というのは社会の基本的なルールを学ぶ場、訓練の場と考えているので我が家は基本NGだが、家庭の状況によっては平日でなければ家族揃って出掛けられない家族もあると思うので、ひと様の家庭に関してまでは口出ししようとは思わない」(38歳ライター 7歳男児)といった一定のルールに基づいた行動であれば、家族それぞれの状況に応じて柔軟に考えるべきとする意見もあり、全体を通してみてもYesかNoで結論付けるのは難しい問題であるようだ。