帝国データバンク福岡支店は15日、「2012年 焼酎メーカー売上高ランキング」を発表した。それによると、芋焼酎「黒霧島」を販売する霧島酒造(宮崎県・都城市)が、9年連続1位の三和酒類(大分県・宇佐市)を抜き、初の売上高1位になった。
同ランキングの発表は今回で10回目。帝国データバンクの企業情報データベース「COSMOS2」(144万社収録)に収録されている焼酎製造を主業とする焼酎メーカーのうち、売上高に占める焼酎比率が50%以上の全国の企業を対象に調査した。
2012年(2012年1月期.12月期)の上位50社売上高合計は、前年比2.1%増の2,849億7,500万円。過去最低だった2011年を上回ったものの、過去2番目の低水準だった。
増収企業は前年の11社から23社に倍増し、過去5番目の数字を記録。芋を主原料とするメーカー24社のうち6割近い14社が増収となり、芋焼酎の健闘が目立った。売上高上位10社のうち、増収企業は前年比5社増の6社。一方、減収企業は21社(前年34社)、横ばいは6社(同5社)だった。このほか、損益が判明している44社のうち42社が黒字で、赤字企業は2社にとどまり、損益も改善していることが明らかになった。
メーカー別の売上高を見ると、霧島酒造が前年比6.1%増の515億7,200万円となり、初の1位(前年2位)を獲得。主力の「黒霧島」は、黒ブームの火付け役として全国的にも知られており、業務用に加え家庭用の需要も拡大。2009年に販売を開始した芋麹焼酎の「吉助」なども好調だという。
2位は前年比0.4%増の503億2,500万円を計上した三和酒類(麦焼酎「いいちこ」など販売)、3位は同2.3%増の179億4,000万円の雲海酒造(宮崎県・宮崎市、麦焼酎「いいとも」など販売)と続いた。
売上規模別に見た場合、500億円台は2社(前年1社)、400億円台はなし(前年1社)、100億円台は4社(前年と同じ)、50億円以上100億円未満は6社(前年と同じ)となった。売上高上位10社の県別内訳は、鹿児島県が4社、宮崎県、大分県が各2社、熊本県、群馬県が各1社で、前年と変わらなかった。
県別のメーカー数を調べたところ、鹿児島県が23社(前年22社)でトップ。以下、2位は宮崎県の6社(前年と同じ)、3位は沖縄県(前年5社)、大分県(前年と同じ)の各4社と続いた。
県別の売上高を見ると、芋焼酎が主力の鹿児島県が前年比6.0%増の877億1,900万円(構成比30.8%)となり、8年連続の首位。売上高は4年ぶりに前年を上回った。2位は芋・ソバ焼酎が主力の宮崎県で、同3.9%増の816億2,700万円(同28.8%)、3位は麦焼酎が主力の大分県で、同0.3%減の718億7,300万円(同25.2%)となった。