ガソリンって一体、誰がどこから買ってるの?

今、石油製品のひとつであるガソリンが1リットル160円台に値上がりしています。これは日本が輸入している中東の産油国の事情や日本の経済状況などにより変動するもの。今回のガソリンの高騰は、エジプトの緊迫した情勢が主な原因といわれています。その他、円安傾向にあることでのコスト転換も加わりそうで、当面、安くなる様子はなさそうです。

飛行機でひとっ飛び…というわけにはいかないのです

ガソリンをはじめとする石油加工製品は、一体、どうやって私たちの手元に届くのでしょうか。産油国の油田の原油がガソリンなどの製品に姿を変えるまでには、鉱区取得という産油国政府からの"石油を探す権利"を取得することから始まり、パイプラインや船で運ばれて精製・販売されるまでに、気の遠くなるような歳月をかけてのルートづくりがなされています。ですから、一般商品販売のように一企業の努力で値上がりを抑えられるようなしくみではないのです。

大プロジェクトとして多くの日本企業が動いています

その道のりは本当に長く、鉱区取得→探鉱→開発→生産→販売という過程を経ながら、ひとつの大きなプロジェクトとして進んでいます。日本の原油探鉱企業の代表として挙げられるのは、石油資源開発(JAPEX)や国際石油開発帝石(INPEX)などです。さらに、原油の購入から輸送・輸入、貯蔵・備蓄、精製、輸送、販売に至るまで関与するのが、石油元売企業(よくガソリンスタンド名になっている企業)と呼ばれる会社になります。プロジェクトの間には、このような企業の他、総合商社、プラントエンジニアリング会社、ゼネコンなど多くの企業がかかわり、莫大な規模の資金や人材が動いているのです。