日本民営鉄道協会は31日、大手民鉄16社における2012年度の鉄軌道部門実績および2013年度の設備投資計画をまとめた。この中で、昨年度の混雑率の実績も発表されている。
大手民鉄16社(東武・西武・京成・京王・小田急・東急・京急・東京メトロ・相鉄・名鉄・近鉄・南海・京阪・阪急・阪神・西鉄)の昨年度の輸送実績は、旅客全体で95億5,900万人(定期旅客55億8,400万人、定期外旅客39億7,500万人)となり、対前年度比1.8%増となった。最も輸送人員が多かったのは東京メトロの23億4,900万人で、続いて東急電鉄が10億8,900万人。関西の私鉄では阪急電鉄が最多で、6億1,500万人だった。
昨年度、大手民鉄16社で最も混雑率(輸送人員/輸送力)が高かったのは、前年度と同じく東京メトロ東西線木場~門前仲町間で197%。同区間では、2013年度も混雑率200%(相当圧迫感があるが、週刊誌程度ならなんとか読める)が見込まれるという。
関東の私鉄ではその他、小田急線世田谷代田~下北沢間が188%、東急田園都市線池尻大橋~渋谷間が182%で、依然として高い混雑率となっている。東急東横線祐天寺~中目黒間では、昨年度の混雑率は167%だったものの、今年3月の副都心線との相互直通運転開始・日比谷線との相互直通運転終了の影響から、2013年度は混雑率173%になると見込まれている。関西の私鉄では、阪急電鉄の神戸本線神崎川~十三間が混雑率141%で最も高く、2位も同じ阪急の宝塚本線三国~十三間で138%だった。
大手民鉄16社の昨年度の鉄軌道部門営業収支実績は、営業収入が1兆6,114億5,500万円に対し、営業費用は1兆3,285億1,000万円で、営業損益は2,829億4,500万円。会社別に営業損益を見ると、東京メトロが781億6,900万円で、続いて近鉄が281億7,500万円、東武が254億1,400万円、阪急が252億4,800万円、小田急が227億1,300万円となっていた。
日本民営鉄道協会の発表によれば、昨年度は輸送力増強工事(都心への乗入れ工事や駅の改良、車両の新造・更新など)に593億円、安全対策(踏切および運転保安工事)に1,633億円、サービス改善工事(バリアフリー化や運行情報案内表示器の整備など)に813億円を投じたとのこと。2013年度は輸送力増強工事に640億円、安全対策に1,866億円、サービス改善工事に777億円を投じる計画となっている。