「コミュニケーション力診断」4つの評価軸

トライベック・ストラテジーは、「主要企業Webユーザビリティランキング2012<企業サイト編>」からピックアップした30社を対象に、コミュニケーション力診断を行った「コミュニケーション力ランキング2013<企業サイト編>」を発表した。調査時期は4月から6月下旬。

「コミュニケーション力診断」とは、企業の自社サイト(オウンドメディア)における生活者とのコミュニケーション力を数値化するためのプログラムのことを指す。

今回の調査では、「主要企業Webユーザビリティランキング2012<企業サイト編>」のうち、"15業界別ランキングの上位"かつ"BtoC(企業対消費者間取り引き)企業"を中心に30社をピックアップ。

企業の想いやコンテンツ伝達力・訴求力を指す「経験軸」、アーンドメディア(共感を得るメディア)の活用とコミュニケーション力を指す「コミュニケーション軸」、ペイドメディア(関心をつくるメディア)連携やCSR(企業の社会的責任)訴求力を指す「PR軸」、コンバージョン促進やOtoO連携力を指す「結果軸(行動促進軸)」の4つによって、企業サイトを診断しスコアを算出している。

「サントリー」「日産自動車」は全体スコア80点を超す

ランキング1位には昨年に引き続き「サントリー(スコア合計84.23)」がランクイン。あらゆる軸において高スコアとなり、特にペイドメディアとの連携やCSRの訴求力は群を抜いている。

次いで、2位「日産自動車(同81.60)」、3位「日本航空(JAL)(同78.88)」4位「マツダ(同78.20)」、5位「ソニー(同76.67)」、6位「アサヒビール(同74.53)」、7位「パナソニック(同70.90)」、8位「ニコン(同69.82)」、9位「au(KDDI)(同69.22)」、10位「キリンビール(同68.45)」となった。なお、「日産自動車」は2位だったものの、全体スコアは「サントリー」と同様に80点を超えている。

業界別にみると、「日本航空(JAL)」は総合3位と躍進。総合電機業界では「ソニー」が、食品・飲料業界では「アサヒビール」が、そして通信業界では「au(KDDI)」がそれぞれ業界1位となり、生活者とのコミュニケーションに対して高い意識を持って臨んでいることがうかがえる。

スコア平均は64.33点。80点以上のスコアを出した企業は、上位2企業のみで、70点以上のスコアを出した企業でも上位7社にとどまった。

軸ごとに見える今後の課題

「経験軸」では、「記憶に残るようなコンテンツの設置」や「ブランド形成への意識」は全体的に取り組みが不足しており、カタログサイトから脱却できていない企業がみられたという。このため、企業らしさをアピールすることが重要だと考えられる。

また、「コミュニケーション軸」では、多くの企業がメインのソーシャルメディアを活用しているものの、業界により取り組みに大きな差が生じていた。合わせて、ソーシャルメディアに頼りがちな部分も垣間見える。

そのほか、「PR軸」では、CSR情報や社会活動における取り組みなど、企業活動すべてを効果的に訴求をしていく必要があり、「結果軸(行動促進)」では、デジタルだけにとどまらず、リアル(オフライン)への行動促進も含めた工夫が必要だと同社では分析している。