JR東日本新潟支社は26日、特急「いなほ」に使用する車両を、485系からE653系(1000番台)へ順次置き換えると発表した。投入時期は今年秋頃の予定。
新潟~酒田・秋田間を結ぶ特急「いなほ」は現在、交直流特急形電車485系で運行。国鉄時代に製造された485系は近年、JR各社で置換えが進んでおり、「いなほ」は残り少ない485系による特急列車のひとつだったが、ついにE653系(今年春まで常磐線の特急「フレッシュひたち」などで活躍)によって置き換えられることになった。
E653系1000番台は計56両(7両×8編成)投入される予定。新潟・庄内地区をイメージし、「夕日・稲穂・海」をキーワードに新たな外観デザインとなる。編成全体で、夕日が沈む日本海に映り込む空の色合いをゆるやかな曲線と色彩で表現するという。
「フレッシュひたち」時代のE653系にグリーン車はなかったが、特急「いなほ」では1号車にグリーン車を設置する。現在の485系の半室グリーン車より2席多い全18席で、「実る稲穂をイメージした色調の落ち着きある車内」(新潟支社)となる。海側2席、山側1席の横3列で、座席には大型リクライニングシートを採用。シートピッチは窓枠に合わせて広く取り、各席の前後にパーテーションを設置してプライベートスペースを確保するという。1号車にはラウンジスペースも設けられ、ゆったりくつろぎながら車窓を楽しめる。
(写真左から)「フレッシュひたち」時代のE653系と、現在の特急「いなほ」に使用される485系(1000番台・3000番台) |
普通車の座席は全410席(現在の485系は366席)で、ブルーを基調に、シンプルで明るく開放的な車内となる。4号車にバリアフリー対応トイレも設置するとのこと。E653系1000番台による特急「いなほ」は、今年秋頃から一部列車で営業運転を開始。その後も順次485系からの置換えを進め、車両を一新する。