日本は非常に湿気の多い国です。そのため、うっかりしていると自宅の至るところにカビが発生します。梅雨に備えて、除湿剤などを準備している人も多いと思いますが、いくら除湿剤を使用していても、ちょっとした不注意でカビは生えてしまうもの。

そこで今回は、そんな家にカビを生やしてしまうNG行為を紹介したいと思います。カビ対策専門業者、プレモの山田さんにお話をうかがいました。

NG1:換気扇を回さずにキッチンを使用する

「キッチンの換気扇は、煮炊きをするときだけ回すという家庭が多いようです。しかし、シンクで食器を洗ったときなどは、水蒸気が発生しています。お湯を使用するときはもちろん、夏場なら水でもかなり水蒸気が発生してしまうのです。

それが、キッチンやその他の居室に充満し、カビの原因となる可能性も。最近の住宅は気密性が高いため、一旦水蒸気が充満してしまうと、部屋の中にいつまでもとどまってしまうのです」

NG2:収納スペースにぎっしり物を詰め込む

「クローゼットや押し入れは、カビが発生しやすい場所です。こまめに扉を開けて換気することも重要ですが、物を詰め込みすぎないというのも一つのポイント。隙間なく物が詰められていると、風が全く通りません。

収納スペースに物を入れるときは、下にすのこを敷いて、壁と物との隙間を作るようにしましょう。そして、ときどき扉を開け放って、サーキュレーターなどで風を送り、収納スペース内の空気を循環させると、カビが発生しにくくなります」

NG3:ベッド下の収納

「よくベッドの下を、収納スペースとして利用しているのを見かけますが、非常にカビが発生しやすくなるため、あまりおすすめできません。

人は寝ている間に大量の汗をかき、その汗はベッドのマットレスを伝い、どんどん下がっていきます。ベッドの下が収納スペースになっていると空気が循環せず、その水分がとどまってしまいますので、カビの原因となります」

NG4:洗濯物の部屋干し

「ぬれた洗濯物を室内で干すと、場合によっては約10パーセントも部屋の湿度が上昇します。これを繰り返していると、当然カビの生えやすい環境になってしまうでしょう。

どうしても部屋干ししたいときは、除湿器を使用してください。そして、空気を循環させるために、洗濯物の下からサーキュレーターなどで風を送ると、湿度の上昇を抑えることができます」

NG5:家具を壁にくっつけておく

「部屋を広く使いたいと思えば、タンスなどの大きな家具は、どうしても壁にくっつけておくことになります。しかし、実はこれがカビ発生の大きな原因になってしまうのです。

特に、共用廊下側の壁(家の外壁側ではなく、廊下などに接している壁)は、カビが生えやすい場所。できるだけタンスなどを置くのは避けて、もしどうしても置きたい場合には、壁との隙間を作るようにしましょう」

NG6:外の湿度が高い日に、換気をする

「湿気は、湿度が高い場所から、低い場所へと流れ込みます。そのため、外の湿度が高く、部屋の中の方が乾燥しているという状態で窓を開けてしまうと、外の湿気が部屋の中に入り込んでしまいます。換気は、外の湿度が低いときに行いましょう。

小さな通風口が付いている窓サッシもありますが、雨の日など、外の湿度が高いときは、閉めておいた方が良いですね。ただ、24時間換気システムは、部屋の湿度を調整する働きがありますので、常に作動させておくのがベストです」

現代の住宅は気密性が高いため、うまく湿気対策を行わなければ、カビが生えやすい環境になってしまうとのこと。家具や荷物を動かしてみたら、壁がカビだらけ……なんて光景は見たくないですよね。

これから湿気の多い季節に突入します。カビを生やしてしまうNG行為に注意して、気持ちの良い我が家を維持できるように、頑張りましょう!

(OFFICE-SANGA 森川ほしの)