日産自動車はこのほど、2013年3月期の連結決算を発表した。それによると、2012年度の営業利益は、日本や中国、欧州での販売台数の減少が響き、前期比4.1%減の5,235億円となった。

売上高は前期比2.3%増の9億6,296億円、経常利益は同1.1%減の5,293億円、最終利益(純利益)は同0.3%増の3,424億円だった。

グローバル販売台数は、前期比1.4%増の491万4,000台と過去最高を記録。グローバル市場占有率は同0.2ポイント減の6.2%となった。国別に見ると、日本での販売台数は同1.3%減の64万7,000台、市場占有率は同1.4ポイント減の12.4%。なお、全体の販売台数が減った中、「日産リーフ」は同33.9%増の1万1,600台を売り上げている。中国での販売台数は、諸島問題の影響を受け、同5.3%減の118万2,000台、市場占有率は同0.8ポイント減の6.5%となった。

米国での販売台数は、アルティマ、ヴァーサ、パスファインダーの好調を受け、前期比5.4%増の113万8,000台となったものの、市場占有率は同0.5ポイント減の7.7%となった。ロシアを除く欧州での販売台数は同8.9%減の50万3,000台となったが、市場占有率は同0.1ポイント増の3.6%と前年とほぼ同水準を堅持。一方、ロシアでの販売台数は同2.8%減の15万7,000台、市場占有率は同0.6ポイント減の5.3%となった。

その他市場における販売台数は前期比16.3%増の95万9,000台。内訳は、中南米が同1.6%減の22万1,900台、ブラジルが同18.4%増の9万6,000台、タイが同80.4%増の13万8,000台などとなった。

自動車事業の2012年度のフリーキャッシュ・フローは累計で2,486億円のプラス。その結果、2012年度末現在では自動車事業における手元資金が有利子負債額を上回り、自動車事業の実質有利子負債は9,159億円のキャッシュ・ポジションとなった。

2013年度は、ダットサンブランドの初期モデルをはじめ、米国に新型ローグやインフィニティQ50を投入するなど、全世界で10車種の新型車を発売。これらの販売計画などにより、グローバル販売台数を過去最高となる前期比7.8%増の530万台に、グローバル市場占有率を前期比0.3ポイント増の6.5%に伸ばすとしている。

2014年3月期の業績見通しは、売上高が前期比7.7%増の10兆3,700億円、営業利益が同16.5%増の6,100億円、経常利益が同21.9%増の6,450億円、最終利益が同22.6%増の4,200億円と予測。なお、為替レートについては、1ドル=95円、1ユーロ=122円に設定しており、円安が進めば利益の上振れも見込まれる。